12通貨対応の外貨両替機が急増中
そうした背景から、外国人旅行者が現金を両替できる窓口は次第に減りつつある。
が、その中で非常に興味深い動きも。
去年10月、佐賀空港の1階ロビーに外貨両替機が設置された。これは何と12通貨に対応した、完全無人の両替機である。
この両替機は株式会社アクトプロの「SMART EXCHANGE」。記事執筆時点で全国400ヶ所に設置されていて、新宿、渋谷、秋葉原などには複数台設けられている。静岡県静岡市在住の筆者の近辺にも1台あった。案外身近に置かれているものなのだ。
この両替機の存在も考慮すると、上に書いた「外国人旅行者が現金を両替できる窓口は次第に減りつつある」という表現は間違っているかもしれない。減っているのはあくまでも「有人の両替窓口」であって、両替所そのものではなさそうだ。
むしろ両替がしやすくなる環境に?
上に書いた事象をさらに考察すると、今後はメガバンク運営の「外貨両替窓口」が減っていくからこそ「外貨両替がしやすくなる(日本円の現金が入手しやすくなる)」という逆説的な現象が起こるのではないか。
有人窓口はそこで働くスタッフを確保しなくてはならず、また利用者にとっても「スタッフと会話しなければならない」という手間もある。
しかし外貨両替機にはそうした煩わしさは一切なく、これが全国津々浦々に普及すれば「いつでも気軽に現金を日本円にできる環境」が自ずと整備されていくだろう。
外国人旅行者にとって、日本は確実に「旅行しやすい国」になっているようだ。
【参考】
外貨両替ショップの営業終了および 外貨自動両替機の取り扱い終了について-みずほ銀行
https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20240111release_jp.pdf
神奈川中央交通グループの高速バスでクレジットカード等の タッチ決済による乗車サービスを開始します-神奈川中央交通グループ
https://www.kanachu.co.jp/news/pdf01/somu/2023/2024.01.18_release.pdf
横浜市営地下鉄の全40駅でクレジットカード等のタッチ決済による乗車サービスの実証実験を開始します-PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000234.000006846.html
SMART EXCHANGE
https://smartexchange.jp/
取材・文/澤田真一