<中部圏版> LIFULL HOME’S みんなが探した!買って住みたい街ランキング
■「岐阜」が初めての1位に!名古屋市内よりも物件価格が安価で生活しやすく充実した行政支援も要因
中部圏「買って住みたい街」ランキングは、2020年には6位だった「岐阜」が2021年以降4位→2位→2位と徐々に順位を上げ、2024年に遂に初の1位に輝いた。
前回まで3年連続して1位だった「名古屋」は駅周辺のマンション開発が一段落したこともあり、3位に後退している。
2位の「金山」はJR線、名鉄線、名古屋市営地下鉄など7線が乗り入れる中部圏有数のターミナル性の高い駅で、「名古屋」にも「久屋大通」にもダイレクトアクセスが可能な交通利便性を有している。
駅周辺は商業地で話題性の高いタワーマンションなどの分譲はほぼないが、それでも総戸数50戸前後の小規模な開発はコンスタントに継続しており、物件数も増えていることから問合せ数が増加し、前々回の26位から前回8位へ、今回は2位まで上昇している。
中部圏での“買って住みたい街覇権争い”はここ数年「名古屋」vs.「岐阜」の構図が出来上がっているが、「岐阜」は近年10位以下となったことは1度もなく、今回遂に「名古屋」を抜いて1位に輝いた。
背景には「名古屋」まで快速で20分、極めてアクセス良好なベッドタウンであるにもかかわらず、名古屋市内よりも物価や物件価格が安価で生活しやすいというコストパフォーマンスおよびタイムパフォーマンスの良さが挙げられる。
また、「岐阜」と徒歩5分程度の距離に位置する「名鉄岐阜」(6位→10位)も後退したものの上位を維持し、ここ数年の“岐阜人気”は極めて高いものがある。
特に近年、岐阜県独自に移住促進および子育て支援制度が充実し、経済面でのサポートも効果を発揮し始めているようだ。
TOP10の顔ぶれは、4位は前回13位から大きく順位を上げた「尾張一宮」、5位「高蔵寺」(前回8位)、6位「伏見」(同3位)、7位「藤が丘」(同7位)、8位「覚王山」(同12位)、9位「豊橋」(同19位)、10位には上記の通り「名鉄岐阜」だ。
■「名古屋」はマンション開発一段落で3位に後退、「名古屋」から10分、物価や生活コストが安い「尾張一宮」がTOP3を射程圏内に
4位「尾張一宮」は、29位「名鉄一宮」と駅舎が同一で事実上同じ駅だが、JR線で「名古屋」から10分の距離に位置し「岐阜」との中間地点にあたる。
所要時間が僅か10分ながら、名古屋市内よりも物件価格は安価で、物価も安定し、生活コストという点では名古屋市内に居住するよりも経済性が高いと言われている。
また7位「藤が丘」、8位「覚王山」、17位「八事」、20位「今池」、21位「本山」など、名古屋市内の人気住宅地が揃って順位を維持もしくは上げており、名古屋市内でも「名古屋」周辺と名古屋東側エリアの昔ながらの住宅地に人気が“二極化”する可能性が出てきている。
中部圏においても核家族化が進行し、それに伴って戸建てからマンションへという流れが完全に定着していることから、今後は大規模マンションやタワーマンションの開発で活性化した、専ら名古屋市中心部がランキングの上位へと年ごとに入れ替わりで登場する、首都圏と同様のマーケットに変化する可能性がある。
■居住エリアの郊外化により、居住ニーズの二極化へ
本格的にコロナ後の社会に移行している状況で人流が活性化、また円安や資材価格高騰の長期化によって物件価格が上昇したことで、前回までは主に「名古屋」を中心とした居住ニーズが高まる一極集中型の状況にあった中部圏が、今回のランキングでは首都圏同様の“居住エリアの郊外化”が発生していると見ることができる。
状況としては「名古屋」を中心とした周辺エリアと、1位となった「岐阜」を筆頭に「岡崎」、「豊橋」など「名古屋」からある程度離れたエリアにある“衛星都市”での居住ニーズが顕在化しており、その意味では“二極化”という見方も可能だ。
■次にくる街はどこだ!「急上昇ランキング」1位は448ランクアップの「栄生」
今回は166ランクアップした「南大高」(199位→33位)、113ランクアップの「車道」(148位→35位)、150ランクアップの「瑞穂区役所」(225位→75位)など名古屋市内でこれまで物件開発が沈静化していたエリアで新規の分譲が開始されたことで大きく順位を上げた駅が出てきた。
いずれも市街地の落ち着いた住宅地で、潜在的な人気が高いエリアでもあるため、物件が開発されたことを契機に注目が集まった。
なかでも448ランク急上昇した「栄生」(493位→45位)は、「名鉄名古屋」から1駅2分の位置にあり、これまで「名古屋」を最寄りとする物件開発のみだったが、2023年に分譲開始のマンションが駅徒歩2分の場所にもかかわらず価格が安価なことから注目され、一気に45位まで浮上している。
<調査概要>
期間:2023年1月1日 ~ 2023年12月31日
対象:LIFULL HOME’Sユーザー
-中部圏版(愛知県、岐阜県、三重県)
集計:LIFULL HOME’Sに掲載された 賃貸物件・購入物件のうち、実際の問合せ数を駅別に集計
分析:LIFULL HOME’S 総研
出典元:LIFULL HOME’S
構成/こじへい