【勝手にブック・コンシェルジュ 第5回】東出昌大さんに、『ともぐい』を
去る1月17日、河﨑秋子さんの『ともぐい』(新潮社)が第170回直木賞を受賞した(万城目学『八月の御所グラウンド』(文藝春秋)が同時受賞)瞬間、わたしは思ったのです。「ああ、これは東出昌大さんにオススメしなくては」と。
2020年、映画『寝ても覚めても』(2018年公開)で共演した唐田えりかさんとの不倫関係が発覚し、世間から大バッシングを受け、離婚に至った経緯、実はトヨザキ大変心を痛めて見守っておりました。東出さんと杏さんのファンでしたし、柴崎友香さんによる映画の原作をこよなく愛していたからです。
拝見しましたよ、「めざまし8チャンネル」で放送された山ごもり生活密着映像。『「週刊女性PRIME』」の前後編の記事も読みました。自分で仕留めた鹿や猪のほか、罠猟にかかったアナグマやキツネ、蛇はおろか蝉まで食べてみたという山の生活。新しい仲間も出来て、一緒に猟をしたり、獲物を鍋にして食べたり、歌ったりと今は心穏やかな日々をお過ごしのこと、よかったなあと思います。でも、山ごもり生活も初めのうちは孤独でさぞかし心細かったと存じます。河﨑さんの『ともぐい』はそんな初心を思い出させてくれるのではないでしょうか。
『ともぐい』
河﨑秋子(著)
新潮社