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ピアノなどの鍵盤楽器を演奏し続けることは作業記憶や行動機能の向上につながる、エクセター大学研究報告

2024.02.11

生涯を通した楽器の演奏は脳の健康に有益

楽器、特にピアノなどの鍵盤楽器を演奏することは、記憶力(作業記憶)や複雑な課題を解決する能力(実行機能)の向上につながることが、新たな研究で示唆された。

英エクセター大学認知症研究教授のAnne Corbett氏らによるこの研究の詳細は、「International Journal of Geriatric Psychiatry」に2024年1月28日掲載された。

この研究は、40歳以上を対象にした脳の老化や認知症発症に関するオンライン研究であるPROTECT研究のデータを用いて、楽器の演奏や歌を歌うことが脳の健康に与える影響を検討したもの。

対象とされたのは1,570人で、このうちの89%(1,392人)に楽器演奏の経験があり、また44%(690人)は現在も演奏を続けていた。

対象者の音楽の熟練度は、Edinburgh Lifetime Musical Experience Questionnaire(ELMEQ)を用いて、楽器の演奏、歌唱、読譜、音楽鑑賞の4つの観点で評価した。

対象者はまた、PROTECT研究のプラットフォームに組み込まれた認知テストシステムを使用して、最大3回の認知テストを受けた。最終的に1,107人(平均年齢67.82歳)が解析対象とされた。

解析の結果、楽器を演奏することは作業記憶と実行機能の良好なパフォーマンスと関連することが明らかになった。

特に、鍵盤楽器の演奏と作業記憶の良好なパフォーマンスとの関連は強かった。また、歌を歌うことと実行機能との間にも有意な関連が認められた。

ただしこの結果について研究グループは、「歌を歌うことがもたらすこのような効果は、コーラスや何らかの集団に属しているという社会的要因に起因する可能性がある」との見方を示している。

さらに、作業記憶と実行機能に対する楽器演奏の効果は、高齢になっても演奏を続けていた人の方が、過去に演奏していたがやめてしまった人よりも大きいことも示された。

Corbett氏は、「総じて、われわれは音楽に関わりを持ち続けることが、認知予備能として知られる脳の敏捷性と回復力を養う方法だと考えている」と述べている。

そして、「両者の関連をより詳細に調査する必要はあるが、今回の結果は、脳の健康に保護的に働くライフスタイルを促進するための公衆衛生上の取り組みにおいて、音楽教育の推進が貴重な構成要素であることを示すものだ」との見方を示している。

その上で、「集団で行う音楽活動が認知症患者に有益であることを示すエビデンスは豊富にある。このアプローチは、高齢者が積極的にリスクを軽減し、脳の健康を促進するための健康プログラムなどの一部として取り入れられるのではないか」と付言している。

英コーンウォールに住む78歳のStuart Douglasさんは、生涯にわたって楽器を演奏してきた高齢者の一人だ。

現役のアコーディオン奏者であるDouglasさんは、「私は、ファイフ炭田の村に住んでいた少年の頃にアコーディオンを習い、警察官になってからもずっと演奏を続けてきたし、今でも定期的に演奏している。私のバンドは人前で演奏することも多いため、私の手帳は常に演奏スケジュールで埋まっている」と話す。

Douglasさんは、「私たちは、定期的にメモリーカフェ(認知症患者やその家族などの交流の場)で演奏し、音楽が記憶喪失の人に与える効果を目の当たりにしてきた。また、私たち自身も高齢のミュージシャンであるため、年を重ねても音楽を続けることが、私たちの脳を健康に保つ上で重要な役割を果たしていることを実感している」と話している。(HealthDay News 2024年1月29日)

Copyright © 2024 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/gps.6061

Press Release
https://news.exeter.ac.uk/faculty-of-health-and-life-sciences/playing-an-instrument-linked-to-better-brain-health-in-older-adults/

構成/DIME編集部

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