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データセーバーは、モバイルデータ通信量を抑えたいときに役立つ機能です。うまく使いこなせば、データ容量を超過しにくくなり、毎月のスマホにかかる料金を節約できます。機能の使い方やメリット・デメリットなどを見ていきましょう。
データセーバーとは何か?
データセーバーを使用したことがある人もいれば、そうでない人もいるでしょう。携帯機器でインターネットを使用する頻度が高い場合は、機能の詳細を知っておくと便利です。
データセーバーとは何か、どのような仕組みになっているのかを解説します。
■モバイルデータ通信量を制限できる機能
データセーバーは、Android7.0以降から利用が可能になった機能です。スマホやタブレットなどの携帯機器を使ったモバイルデータ通信時に、消費されるデータ使用量を抑えられます。
データセーバーをオンにするとWi-Fi接続以外では通信を抑え、モバイルデータ通信を消費しにくい設定になります。
スマホの契約プランによってモバイルデータ通信量に制限がある場合や、残量を節約したい場合などに効果的です。
■通信量が制限できる仕組み
データセーバーの機能を使うと『バックグラウンド通信』を制限でき、Wi-Fi接続時以外はモバイルデータ通信を無駄に消費しない仕組みになっています。
バックグラウンド通信は、ユーザーによる直接操作以外で発生するモバイルデータ通信のことです。一方、Webページの閲覧やアプリの使用時など、直接スマホを操作している際に発生するものを『フォアグラウンド通信』といいます。
スマホを操作しているときにだけモバイルデータ通信を行っていると考えがちですが、ユーザーが操作していないときも、一部のアプリはメッセージの受信や通知のためにバックグラウンドで動作しています。
データセーバーのメリット・デメリット
モバイルデータ通信量を節約できるならメリットしかないように感じられますが、デメリットも存在します。人によっては、使いづらさを感じることもあるかもしれません。
うまく使いこなすために、押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
■【メリット】データ使用量の最適化
データセーバーの最大のメリットは、データ使用量を節約できることです。不要な時にデータを消費しないよう設定しましょう。
Wi-Fi環境が整っている場所では、データセーバーをオフにすることで、無駄なデータ消費を防ぎつつ、利便性を高めることができます。特に、海外旅行などで他の通信事業者のネットワークを利用する際に大きなメリットを感じるでしょう。
また、危険なサイトにアクセスした際に警告を表示するため、セキュリティ面でも有効です。
■【デメリット】通信速度・画質が落ちることも
データセーバーを使用しているときは通信速度が落ち、動画や画像が見づらくなるのがデメリットです。アプリを通じて送られてきた動画や画像などを、すぐに見られないなどの懸念点もあります。
データセーバーの使用中に、一部のアプリではデータを同期できなかった旨を通知してくる場合があり、ストレスを感じることもあるようです。
また、どのようなときでも常にデータセーバーが機能するわけではありません。個人情報を保護するために『https://』で始まる暗号化されたWebページでは、機能がオフになります。
データセーバーの使い方
データサーバーは使用したいタイミングで簡単に使用でき、不要になったらオフにできます。データ容量にゆとりを持たせるために、使い方を覚えておきましょう。使用したことがない人向けに、使い方や手順を紹介します。
■データセーバーの設定方法
Androidを例に、データセーバーの設定方法を紹介します。
- スマートフォンの設定アプリを開く
- 『ネットワークとインターネット』をタップ
- データセーバーから『データサーバーを使用』のスイッチを切り替える
オフにしたい場合は、3の手順でスイッチを切り替えれば無効化できます。また、画面上部から下へスワイプすると現れる、クイック設定パネルからの設定も可能です。
Androidのバージョンや機種によって、詳しい設定の手順や表示画面が異なります。うまく設定できない場合は、取扱説明書を確認してみましょう。
■特定のアプリを制限しない方法
バックグラウンドで通信する必要があるゲームアプリなどを使用しているなど、データセーバーの機能を使用している間「このアプリだけは常にモバイルデータ通信を許可したい」という場合もあるでしょう。
Androidを例に、モバイルデータ通信の制限から特定のアプリを除外する方法を紹介します。
- スマートフォンの設定アプリを開く
- 『ネットワークとインターネット』を選択
- データセーバーから『モバイルデータの無制限利用』を選択
- 制限したくないアプリを選び、スイッチを切り替える
こちらもバージョンや機種によっては違う表記になっている場合もありますが、おおまかな設定方法は同じです。
Androidのデータセーバー以外で節約する方法
モバイルデータ通信量を抑えたい場合は、データセーバー以外の節約法も併せて覚えておくと、より多く節約できます。どのような方法があるのか、見ていきましょう。
■Wi-Fiを活用する
モバイルデータ通信量を節約したい場合は、データ量の多い動画のダウンロードやアプリのアップデートは、できるだけWi‐Fi環境で利用しましょう。
例えば、容量が大きい動画や音楽のデータなどは、Wi-Fi環境下でダウンロードすると安心です。外出時は、Wi‐Fi環境がある飲食店や公共施設などをうまく活用しましょう。
アプリのアップデートを求められたときも、ダウンロードしなければならないファイルの容量が大きくなりがちなので、Wi‐Fi環境下で行った方が節約になります。
多くのアプリを使用している人は、アプリの自動アップデート機能をオフにしておくか、『Wi-Fi経由のみ』に設定しておく方法がおすすめです。
■データ通信量の上限設定を行う
データの上限を設定し、警告が表示されるようにしておくと自発的にモバイルデータ通信を控えられます。毎月、モバイルデータ通信を使いすぎてしまう人は設定しておきましょう。
上限を超えてしまったときにモバイルデータ通信が低速になります。使用量が一定を超えたときに警告するように設定しておけば、知らない間に使いすぎていたというトラブルを防止できます。
どれくらい使用しているのか見当がつかない状態では節約がしづらいので、設定しておきましょう。
■Googleアカウントの自動同期を切る
Googleアカウントの自動同期をオフにすると、モバイルデータ通信の使用を避けられます。
Googleアカウントを自動で同期する設定にしていると、自動でカレンダーやGoogleフォトなどのデータが更新される仕組みです。
便利な機能ではありますが、どこにいても関係なくモバイルデータ通信を行うので節約ができません。必要なときだけ手動で同期するようにすれば、Wi-Fiが使えるタイミングでの更新が可能になります。
手動で更新する場合は、設定画面から『クラウドとアカウント』を選択し、データのバックアップをオフにしておきましょう。
■SNSの動画再生設定を見直す
SNSや動画アプリなどに投稿された動画の自動再生機能やプレビュー機能をオンにしていると、再生された動画のモバイルデータ通信量が増えます。
X(旧Twitter)を使う機会が多い人は、動画の自動再生をオフにして自分が本当に見たいものだけを見るようにしましょう。
Instagramでは『データ節約モード』を使うと、事前に動画を読み込まなくなり、モバイルデータ通信量の節約が可能です。
YouTubeでも『画質を落として再生する』『プレビューの動画再生をオフにする』などの設定をすれば、モバイルデータ通信量を節約できます。
構成/編集部