三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、同社チーフストラテジストの石山仁氏による「米国株式市場のアノマリーを確認 1月上昇した年のS&P500種指数の平均上昇率は13%」と題したマーケットレポートを公開した。
経験則(アノマリー)から見えてくる年間騰落率
1月の米国主要株価指数は、S&P500種指数が前月比+1.6%、NYダウが同+1.2%、NASDAQ総合指数が同+1.0%と3カ月連続の上昇となった。
S&P500種指数とNYダウは2月に入ってからも史上最高値を更新している。長期金利は上昇しているものの、米景気のソフトランディングやテクノロジー業界の回復に対する期待感が高まったことでハイテク株が堅調となったことなどが背景だ。
ただ、予想株価収益率(PER)が大きく上昇するなど、過熱感が高まっている。今後、スピード調整が入る可能性もありそうだ。
米国株式市場には様々な経験則(アノマリー)がある。1月は月間上昇率が他の月よりも高くなりやすい(1月効果)といった事象が有名だ。
1月に上昇した場合、アノマリーによれば年間で上昇となる勝率は80%を超えており、2024年の年間上昇率はプラスになると期待される。
一方、2月の月間上昇率は相対的に低く、勝率も12カ月中10位、ないしは11位と低い月だ。
そこで2月の動向も踏まえた場合の年間上昇率を確認した。1月上昇、2月下落の場合(ケース2)は、年間での勝率は1月だけを見たケース1よりも低下した。
しかし勝率は70%以上であり、仮に、2月にスピード調整やバリュエーション調整から下落したとしても年間ベースでの上昇は期待できそうだ。
一方、1月に続き2月も上昇したケース3の場合は、ケース1よりも高い上昇率と勝率が確認された。
出典元:三井住友DSアセットマネジメント
構成/こじへい