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ブラウザは、インターネットを利用するときに必要なソフトウェアです。インターネットを使用する人にとって身近な存在ですが、具体的な意味を知らずに使っている場合もあるのではないでしょうか。
今回は、ブラウザの意味や役割、選び方のポイントを紹介します。
ブラウザとは
ブラウザはインターネットを利用する際によく出てくる言葉ですが、詳しい意味を知らない人もいるでしょう。ブラウザの意味や語源、主な役割を紹介します。
■Web閲覧するためのソフト
ブラウザとは、Webサイトを閲覧するために使われるソフトウェアのことです。ブラウザを使わなければ、Webサイトを見ることができません。
インターネット上で、情報や画像・動画などにアクセスするためのソフトウェアであり、さまざまなものが開発されています。
例えば、Google ChromeはGoogleが、SafariはAppleが開発したブラウザソフトです。ほとんどのパソコンやスマートフォンには、最初からブラウザが搭載されていますが、自分で気に入ったものを後からインストールすることもできます。
■ブラウザの語源
スマホやパソコンを使用してインターネットを利用するようになって、初めてブラウザという言葉を知ったという人は多いでしょう。
ブラウザの語源は、英語の『browse』という動詞です。ざっと見る・拾い読みする・閲覧するなどの意味があります。そこから、インターネット上でWebサイトを閲覧可能にするソフトウェアのことを、『ブラウザ(browser)』と呼ぶようになりました。
また、ブラウザを使用してWebページを見ることを、『ブラウジング』といいます。併せて覚えておきましょう。
■ブラウザの主な役割
ブラウザの役割は、さまざまなプログラミング言語を読み込み、スムーズにWebページに変換することです。Webサイトは、HTMLコードやJavaScriptなどのプログラミング言語によって記述されています。
ブラウザがあれば、誰でも理解できる形でWebページの内容を表示可能です。ほかにも、さまざまなWebサービスのプラットフォームとしての役割があります。
例えば、ブラウザ上でゲームができるサービスを試したことがある人もいるでしょう。パソコンやスマホにソフトウェアをダウンロードしなくても、ブラウザだけで使用できる労務管理・経費精算システムなど、会社の業務に使用する多種多様なサービスが提供されています。
サービスによって対応ブラウザが異なるので、複数の種類を使い分けている人も珍しくありません。
主なブラウザの種類
ブラウザはパソコンやスマホに標準搭載されているもの以外にも、さまざまな種類があります。ブラウザの種類について理解を深めておくと、より自分が使いやすいものが見つかるでしょう。
近年使用されている、代表的なブラウザの種類を紹介します。
■Google Chrome
Googleが開発したWebブラウザで、パソコン・スマホ・タブレット(Apple製品除く)において大きなシェアを誇ります。Androidのスマホに標準搭載され、世界的なシェア率が高いことから、各Webサービスに対応しているところが魅力です。
アイコンは青い円を中心に赤・黄色・緑が取り囲んでいるデザインで、Googleのロゴと同じカラーが使われています。Googleアカウントを使えば、Gmail・Googleカレンダー・Googleドライブなどの便利な機能を使用可能です。複数のデバイスからアクセスでき、情報の同期もできます。
また、翻訳や文字起こしなどのさまざまな拡張機能を追加できるため、生産性を向上させられる作りです。
■Microsoft Edge
Microsoftが開発したWebブラウザで、Internet Explorerの後継となるWindowsの標準ブラウザです。アイコンは、緑と青が混ざったような渦巻き状をしています。
Internet Explorerよりも動作が軽快になり、全体的なデザインがスマートになりました。同社が開発した『Bing(ビング)』が既定の検索エンジンとして設定されていますが、設定画面から好みの検索エンジンに変更可能です。
また、AIコンパニオンの『Copilot(コパイロット)』が組み込まれ、Webページの概要の作成や、話題の掘り下げなどができる機能を備えています。
■Safari
Appleが開発したWebブラウザで、Apple製品に標準搭載されています。iPadやiPhoneを使用している人なら、一度は使用したことがあるでしょう。
Safariは、青い羅針盤をイメージしたアイコンを使用しています。Mac製品用に最適化されており、美しく鮮明なグラフィックを楽しめる点や、高速でネットサーフィンができる点が魅力です。
また、Safariにはリーディングリスト機能があり、事前にリーディングリストに登録しておいたWebページを、インターネットにつながっていない状態でも読めるようにできます。インターネット環境がない場所でも、Webページの確認ができて便利です。
■Mozilla Firefox
Mozilla Foundationが開発したWebブラウザです。Mozilla Foundationとは、オープンソースのソフトウェア開発プロジェクト『Mozilla(モジラ)』を支援する非営利団体を指します。
アイコンは、炎とキツネを組み合わせたマークです。プラグインによる豊富な機能拡張が特徴で、カスタマイズ性に優れています。
セキュリティやプライバシーに配慮した作りになっているので、安全性にこだわりたい人におすすめです。デスクトップ版とモバイル版があり、どちらも無料でダウンロードできます。
自分好みのブラウザを選ぶポイント
パソコンやスマホに標準搭載されていないブラウザが、自分に合っている場合もあります。インターネットを日常的に使用するなら、ブラウザ選びにこだわり、より効率良く情報収集をしましょう。
自分に合ったブラウザを選ぶために、押さえておきたいポイントを紹介します。
■動作速度やセキュリティの高さをチェック
ブラウザを選ぶ際は動作速度やセキュリティ、カスタマイズ性などをチェックしましょう。動作が遅いと、ストレスの原因になります。
セキュリティ面が脆弱なものを選んでしまえば、パソコン内のデータや個人情報を盗まれるリスクから逃れられません。
拡張機能が豊富なものを選ぶと使いやすくカスタマイズでき、作業効率がアップします。
また、パソコンとスマホで情報を同期できるブラウザを使用すれば、各種サービスへのログインに使用するIDやパスワード、ブックマークなどを共有できて便利です。
日本国内におけるブラウザのシェア率
日本国内では、どのようなブラウザが人気なのでしょうか。デスクトップブラウザとモバイルブラウザ、それぞれのシェアについて紹介します。
■デスクトップ向けはGoogle Chromeが1位
ウェブ解析サービス「StatCounter Global Stats」によると、日本国内におけるデスクトップ向けのブラウザのシェア率は、2023年12月時点でGoogle Chromeが約65%、続いてMicrosoft Edgeが約20%です。
Google ChromeとMicrosoft Edgeで全体の約85%を占めており、後にMozilla Firefox・Safariが続いています。Mozilla FirefoxとSafariは6%にも満たない数字です。
Google Chromeが人気の理由は、拡張機能の豊富さやGoogleアカウントによってパソコンやスマホと連携できる点にあると考えられます。オープンソースで開発されているので、セキュリティ面の問題への対応がスムーズな点も評価されているポイントです。
以前はInternet Explorerがシェアの大半を占めていましたが、セキュリティ上の問題が発覚するなどして人気が衰え始め、2022年6月にサポートが終了しました。そのため、シェア率は1%以下になっています。
出典:Desktop Browser Market Share Japan | Statcounter Global Stats
■スマホ向けはSafariが1位
こちらも「StatCounter Global Stats」によると、スマートフォン向けのブラウザのシェア率は、2023年12月時点でSafariが約58%、Google Chromeが約36%で全体の95%近くを占める結果となっています。
Safariのシェア率が高い理由は、日本におけるiPhoneの人気が高いためです。SafariがiPhoneに標準搭載されているブラウザであることが、シェア率を伸ばしている理由だと考えられます。
世界的にはAndroidが多く普及していることから、シェア率の違いが顕著です。世界のモバイルブラウザ市場シェアを見ると、Google Chromeが約65%、Safariが約25%と、ほぼ真逆の結果であることが分かります。
出典:Mobile Browser Market Share Japan | Statcounter Global Stats
構成/編集部