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医師が解説!やめたくてもやめられないゾンビ習慣から抜け出す脱・依存脳シフト

2024.02.07

 飲酒、薬物使用、ギャンブル、無駄遣い、これらをやめたくてもやめられない人はたくさんいる。実際に、現代人の8割が何かしらの依存を抱えていると言われているが、そこから抜け出せないのは、快楽物質ドーパミンが一因だとされている。

 一方で、こうした脳の働きを逆利用すれば脱却できると、脳神経内科医として6万人以上の患者の治療にあたってきた山下あきこ氏は話す。同氏の著書『「やめられない」を「やめる」本』では、著者の診療経験から得た知見やエビデンスを元に「やめられないをやめる」テクニックをわかりやすく、診療事例を交えながら解説している。

 依存とは、その対象のものを常に求める状態で、それがなくては身動きが取れない状態を指し、依存体質は依存傾向が強い人のことを言う。さらに、日常生活に支障をきたすほど何かに依存して、抜け出せない状態になっていることを「依存症」と言い、依存症は医療で治療するべき病となる。

 覚えておきたいのは、依存は大きく3つのタイプに分かれるということ。

◆物質に対する依存……アルコール、タバコ、薬物など

 

◆行為に対する依存(プロセスへの依存)……買い物、ギャンブル、ネット、SNS、セックス、仕事など

◆人間関係に対する依存(共依存)……恋愛、親子、友人など

 依存に治療が必要なのかの分かれ道は、日常生活に支障が出ているかどうか。依存体質の人の中には、自分の依存傾向に気づいていない場合もある。もちろん、気づいている人もいるが、それを自分だけではやめられないという状態だ。

 

 依存の根本原因はストレスを快楽で打ち消そうとする脳の働きにあるということを根底に、様々なカウンセリング事例や科学的な根拠を織り交ぜながら、より具体的に克服術を身につけることも大切だ。

 山下氏は、自身の体験をもとに以下のように話す。

「依存は、依存症とは全く違います。依存症は精神科医が治療すべき疾患ですが、依存は病気ではなく、どんな人にもある心の状態です。その依存が様々な病気をつくり出すことを知って、病気を予防し、幸福に過ごしていただくことが本書のねらいです。

 あなたの周りに、こんな人はいませんか?

「今日からタバコをやめます!」と周囲に宣言したけれど、その日の夕方にはタバコを買いに行く。

「1週間お酒を飲まない」と決意したけれど、3日後にはビールが冷蔵庫に並んでいる。

 実は、これは10年くらい前の私です。とにかく私は自他ともに認める「意志が弱い人間」でした。ところがある時、ひょんなことから私は禁煙に成功することができました。その成功がきっかけになり、次はお酒をやめました。さらに、お菓子やスイーツを食べる頻度がかなり減りました。さらにさらに、早起きが苦手だった私が毎朝5時に起きるようになりました。ここまで到達するのに、「あっさり簡単にできた」とは言いません。しかし、ひたすら我慢と根性で頑張ったというわけでもありません。私は、最初の禁煙でやめるコツをつかんだから、「やめられない」をやめることができたのです。

 この手法は私が勝手にひとりでやっていることでしたが、科学的な裏づけを調べてみると、根拠が多数見つかりました。やはり、脳科学や心理学の面から見ても、このやり方は有効なのだと確信したのです。そして、これは私だけ知っておくのはもったいないと患者さんの指導に役立てるようになったのです。とはいえ、通常の内科の診療現場ではじっくりとカウンセリングを行う時間を確保できず、指導の不十分さを感じざるを得ません。そこで、多くの方がこの手法を自分で実践することができるようにと願って、本にすることにしました。本書では、「やめられない習慣」を「ゾンビ習慣」と呼んでいます。ゾンビ習慣の正体や習性、対策法を知って、私と一緒に完全に撃退し、これからの人生を楽しみましょう」

「今年こそ、やめたい!」「今年こそ、変わりたい!」と思っている人は、山下氏の著書を手にとって、冷静に自分の体質や改善策を見極める時間を作ってみてはいかがだろう。

「やめられない」を「やめる」本

山下あきこ・著

全体を5つのパートに分けて「依存脳」を克服する方法を解説する。1.人をダメにする「ゾンビ習慣」 2.「やめたいのにやめられない」ワケ 3.どうしたら「ゾンビ習慣」から抜け出せる? 4.ケース別に解説!依存しにくい脳の作り方 5.「依存脱却」で待ち受ける未来  根本原因はストレスを快楽で打ち消そうとする脳の働きにあるということを根底に、カウンセリング事例を織り交ぜながらより具体的に克服術を指南する。

定価1650円

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■山下あきこさん 

株式会社マインドフルネス代表取締役。内科医、産業医。脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医、医学博士。アメリカ神経学会会員でもある。1999年に川崎医科大学を卒業し、同大学の総合診療部での研修を経て、福岡大学病院の脳神経内科に入局。米国フロリダのメイヨークリニックにて先端脳研究に携わり、パーキンソン病の研究で「MDS Young Scientist Award」(国際運動障害学会の優秀若手研究者向け賞)を受賞。日本に戻り一般の臨床内科医として活動したのち、健康を自分で作る社会を目指して病院を退職し、株式会社マインドフルヘルスを設立。「セブンアプローチ」を提供し、病気を治すのではなく、より健康で幸せに暮らせる社会を目指して活動。健康セミナーやビジネスセミナーなどを行い、行動変容を促す方法と正しい知識を提供している。企業研修の実績は、九州電力、NTT東日本、日清食品ホールディングス、JRサービスサポートその他多数。

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