2月5日から6日にかけ関東で雪が振り、東京都心でも8cmの降雪を記録した。大雪の際にはエアコントラブルが増える傾向にあり、朝起きたときエアコンが効かず寒い思いをした人も多かったのではないだろうか。
東京都心で20センチを超える歴史的な積雪を記録した 2018年には、空調メーカーのダイキンに「エアコンが効かなくて困っている」といった問い合わせが殺到。
「エアコンから温かい風が出てこない」「室外機から異音がする」「エアコンが壊れた?」という声も多く寄せられたという。
では、どのような理由でエアコンから温風が出てこなくなったりするのだろうか。ダイキンが推奨する、大雪時のエアコントラブルの事前回避法と対処術を紹介しよう。
霜取り運転とは?寒い日や雪の日に気を付けるポイント
一般的なエアコンには、気温が低い日にも暖房を続けるための「霜取り運転」が搭載されている。
エアコンが「霜取り運転」に入ると、温風が出なくなったり室外機から聞きなれない音がしたりすることがあるため、エアコンが故障してしまったと思う人が増加する傾向にあるようだ。
とても寒い日、室外機の側面や背面の吸込口にある熱交換器が非常に冷たくなり「霜」がついたとき、一般的なエアコンは 「霜取り運転」に入る。
室外機周辺に障害物があると、室外機から吹出した冷たい空気が吸込口に回り込み、より霜がつきやすくなってしまい、エアコンの運転効率も低下する。
雪の日は、室外機周辺に置かれた物に雪が積もり、室外機周辺の空気の流れを妨げる障害物になってしまう場合も。そのため、室外機周辺の整理整頓は大切だ。
気温が低くなり室外機に霜がついてしまうと、「霜取り運転」で温風がでなくなってしまうことがある。
一般的に、外気温が 7度以下になると「霜取り運転 」がはじまる。霜が溶けると通常の暖房運転が再開するので、10分程度待つのがおすすめ。室外機に熱湯や大量の水をかけることは故障につながるので注意を。
大雪が降る前にできることは室外機の周りを片づけ
天気予報で大雪が想定されている場合には、大雪が降ってもエアコン暖房を安心して使用するために、室外機の周りが物でふさがれていないか、あらかじめチェックしておこう。
ベランダや軒先にある室外機の周りに雪が積もって、空気の吸い込み口、吹き出し口をふさいでしまわないよう、室外機の周りはできる限り空けておく。もし、ゴミ袋や掃除道具などでふさがれていたら、予め片付けておくこと。
大雪が降ったら吹き出し口、吸い込み口をふさいでいる雪を取り除く
室外機の周りに雪が積もって空気の吸い込み口、吹き出し口をふさいでしまったら空気の通り道を確保するため、エアコン専用ブレーカーをオフにした上で、室外機の周りの雪を取り除く。
吹き出し口・吸い込み口の前は、30センチは空けるようにしよう。一般的に、室外機の前面が吹き出し口、側面と背面が吸い込み口となっている。前面だけでなく、側面や背面の障害物にも注意すること。
室外機の上に積もった雪も、落下して吹き出し口や吸い込み口をふさいでしまう可能性があるので、取り除いておこう。雪を取り除いたら、ブレーカーをオンにし、リモコンで再度運転を開始する。
室外機の周りを空けておいた方が良い理由
室外機の周りを空けておいた方が良い理由は、エアコンが部屋を暖める仕組みにある。
エアコンは暖房運転をするとき、屋外の熱を部屋の中に移動させている。実は、冬の冷たい空気の中にも熱が含まれており、その熱をどんどん取り入れることで、部屋を暖めているのだ。部屋の空気に含まれる熱が多いほど部屋は暖かくなる。
室外機は、熱を含んだ屋外の空気を吸い込み、冷たい空気を吹き出している。吸い込み口がふさがっていると、空気を効率的に吸い込むことができない。
また、吹き出し口がふさがっていると、室外機から吹き出された冷たい空気を、室外機が再び吸い込んでしまう「ショートサーキット」という現象が起こる。
すると、屋外の熱を効率よく取り込むことができず、部屋が暖まるまでにまでに時間がかかり、電気代が高くなってしまうこともあるのだ。
暖房運転時、室外機内部の熱交換器は非常に冷たくなっているため、空気中の水蒸気が熱交換器に結露して凍り「霜」となる。また、溶けた雪が凍り付着することも。
熱交換器に霜が付着してしまうと、室外機の空気の吸い込みが妨げられ、屋外の熱を効率的に取り込むことができなくなってしまう。そのためエアコンには、熱交換器に付いた霜を溶かす霜取り運転の機能が付いている。
凍りついた室外機に熱湯や水を大量にかけると、室外機の底板に溜まった水分が凍って膨張し、ファンや室外機内部の部品を損傷させる恐れがあるので注意を。
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構成/Ara