ファーウェイは耳を塞がない完全ワイヤレスイヤホン『HUAWEI FreeClip』を2月20日に発売する。
昨年12月からクラウドファンディングの「GREEN FUNDING」にて、先行リリースされていた製品。5800万円を超える支援を受けてサクセスし、正式販売が決まった。価格は2万7800円で、ファーウェイのオンラインストアのほか、Amazon、イヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」、au Styleやauショップ等で販売予定だ。先日、プロランナーの神野大地氏、モデルの熊谷江里子氏を製品のアンバサダーに起用することも発表された。
気になるつけ心地は? 強く挟むわけではないのにしっかりと固定されて、簡単には外れない理由
充電ケースは約45.5g。サイズは約59.70×51.95×27.35mmとコンパクトだ。
アンバサダーに就任した神野大地氏は、今年の箱根駅伝を制した靑山学院大学OBで、2015年には往路第5区で区間新記録をマーク。現在はプロランナーとして多方面で活躍するほか、社会人チームのプレイングマネージャーも務める。
アンバサダーの発表イベントではランニングのデモンストレーションも行われた。
『HUAWEI FreeClip』は、耳を挟むように装着するイヤーカフのような形状のイヤホンだ。耳の穴を塞がないオープン型なので不快な圧迫感がないだけでなく、片耳約5.6gと非常に軽量で、長時間装着しても痛くなりにくい。一方で、簡単には外れない安定感もある。IP54準拠の防塵、防滴仕様なので、汗にも強い。
アンバサダー就任の発表会に登壇した神野氏も、「2時間、3時間と長時間走っても、耳が疲れるような感じが一切ない」「クリップのような形状で最初は心配だったが、時速16~17kmくらいのスピードで走っても落ちなかった」と、装着感の良さを強調。またデザイン性や音質についても「イヤホンぽくない。アクセサリーみたいな感じでかっこいい」「今まで使ったイヤホンの中で、一番音質がいいと思う」とかなり気に入ったようだ。「ランニングはもちろん、ジムのトレーニングなどでも、周囲の音が聞こえないと話しかけられても気づかないため、そういったシチュエーションでの利用にもおすすめ」だと話していた。
筆者もメーカーから提供を受け、数日間『HUAWEI FreeClip』を試しているが、神野氏の言うとおり、長時間の使用でもまったく耳が疲れない。これまでいろいろな耳を塞がないイヤホンを試してきたが、耳に引っかけるタイプはフィット感が今ひとつで、イヤーカフタイプは挟んでいる部分が痛くなるのが悩みの種だった。『HUAWEI FreeClip』はイヤーカフタイプだが、「C-ブリッジ」と名付けられたツルの部分にはニッケルチタン形状記憶合金を採用していて、耳の挟み方がソフト。強く挟むわけではないのにしっかりと固定されて、簡単には外れない。
ファーウェイによれば、1万人以上の耳のデータを使用し、人間工学に基づいてデザインされているとのこと。昨年、中国広東省東莞市にあるファーウェイのオーディオラボを見学したが、無音室での様々な実験のほか、ロボットアームを用いた耐久テストなどが入念に行われていた。『HUAWEI FreeClip』も、信頼度の高い独自のテストをクリアしているとのこと。実際に何度か着けたまま眠ってしまったことがあるのだが、筆者の寝相の悪さにも負けずに、朝起きたときもそのまま耳に着いていた。過度に負荷をかけるのはよくないのでおすすめはしないが、それくらい快適かつ安定した装着感で、耐久性もある。
オープン型ながら音質も良く、約10.8 mmのデュアルマグネットダイナミックドライバーを搭載し、高音から低音までバランス良く、迫力のあるサウンドが鳴る。特にボーカルがクリアに聞こえ、通話時にも相手の声が聞き取りやすいと感じた。一方で、オープン型では気になる音漏れも、かなり小さいという印象。屋外で中程度のボリュームでテストしたが、音を打ち消す逆音波システムを採用しているおかげか、耳をかなり近くまで寄せないと聞こえなかった。
このほか左右の形状がまったく同じで、装着時に左右を自動認識するしくみになっている点や片耳だけでも使える点、端末のどの部分をタップしても操作ができるのも、このイヤホンの特徴。好きなところをダブルタップする動作で、再生や一時停止、通話への応答や終了の操作ができる。装着の仕方も操作方法も、実にフレキシブルで使いやすい。充電ケースはUSB Type-Cのほか、ワイヤレス充電にも対応。イヤホンはフル充電時で約8時間、充電ケースを使用すれば、最長約36時間の音楽再生が可能となっている。
なおファーウェイでは、2月29日~3月2日に東京ビッグサイト南展示棟で開催される「東京マラソンEXPO 2024」にもースを出展予定。会場では『HUAWEI FreeClip』の展示や視聴体験のほか、アンバサダーの神野氏が登壇するイベントも予定されている。装着感やサウンドを試してみたい人は要チェックだ。
文/太田百合子