バスクリンは東京都市大学人間科学部 学部長 早坂信哉教授の研究グループと共同で、全国の20〜60歳300名を対象としたweb調査による自記式横断研究を実施した。
これは浴槽入浴の頻度が週 4 回以上の群(以下:高頻度群)と、週 3 回以下の群(以下:低頻度群)の 2 群に分けて解析を行なったもので、高頻度群では低頻度群と比較して、幸福度、主観的健康感、睡眠の満足感が高い傾向にあり、特に幸福度は有意に高いことがわかった。
また、高頻度群は入浴条件(湯温や入浴時間など)についての意識も高く、健康診断において指摘事項がない人の割合も多い傾向にあった。
本研究の成果は、2023年10月31日~11月2日に開催された第82回日本公衆衛生学会(茨城県つくば市)で報告された。
主な調査結果
浴槽入浴頻度とQOLの関連では、幸福度、主観的健康感、睡眠の満足感で高頻度群の得点(0-10点)が高く、幸福度では有意な差が認められた(図1)。幸福度の理由として「家族関係」との有意な関連が認められた。
健康診断の指摘では、高頻度群で、指摘なしの割合が多い傾向にあった(図2)。
入浴法の意識得点(0〜10点)では、高頻度群の得点が有意に高く(図3)、理由として「免疫力を高めたい」、「代謝を良くしたい」との有意な関連が認められた。
※ 入浴法の意識得点:入浴時のお湯の温度、入浴時間、入浴剤使用などの意識(とても意識する10点-全く考えていない0点)
■調査研究の背景
同社では「浴育」研究として入浴習慣と子どもの成長・発達に関する研究を重ね、幼少期の入浴習慣や入浴時の親子のコミュニケーションが、子どものしつけや教育とも関連することを明らかにしてきた。
一方、日本では超高齢社会が急速に進展し、健康寿命の重要性が明らかになり、健康寿命延伸に向けたさまざまな取り組みが行われている。
そこで同社では「今回、人々にとって身近な生活習慣であり、体の清浄や温熱、リラックスなど健康で健やかな生活に有用な入浴習慣に着目し、成人の入浴習慣頻度とQOL、健康状況との関連を見出すことを目的としました」とコメントしている。
調査結果まとめ
今回の研究の結果から、浴槽入浴頻度は、幸福度、主観的健康感、睡眠の満足感などのQOLと関連があり、浴槽入浴頻度が高い方が入浴法の意識が高く、「免疫力を高めたい」、「代謝を良くしたい」との有意な関連が認められた。
また、健康診断において指摘なしの割合が多い傾向があり、健康状況の良好化にも寄与する可能性が示唆された。
これを受けて同社では、「バスライフを通してお客様の健康をサポートできるよう、今後も入浴と健康維持、増進に関する研究を進めてまいります」と述べている。
調査概要
調査期間/2022年12月
調査対象/20~60歳の各年代(20、30、40、50、60代)男女30名ずつをランダム抽出し、調査参加に同意を得られた計300名
調査方法/Web調査による自記式横断研究
調査項目/基本属性、入浴実態、浴槽入浴とQOL、入浴法意識とその理由、健康状況(健康診断での指摘等)との関連
解析方法/浴槽入浴とQOL、健康状況(健康診断での指摘等)との関連について、浴槽浴頻度を高頻度(週4回以上)、低頻度(週3回以下)の2群に分け、その背景因子について解析した。
関連情報
https://www.bathclin.co.jp/
構成/清水眞希