過去10年のアップルの変遷と株価
スティーブ・ジョブズが亡くなったのが2011年8月のことなので、ジョブズ以後のアップルの主な変遷を振り返っていきます。株価は同年3月1日を基準とします。
【2013年】
・iOS 7のリリース
・iPhone 5sとiPhone 5cの発売 iPhone 5sはTouch ID(指紋認証)を初めて搭載し、iPhone 5cはカラフルなプラスチック製のボディを採用。
・iPad Airの発売 軽量かつ薄型の新しいiPadモデルが登場。
・株価16.06ドル (2013年3月1日)
【2014年】
・iPhone 6とiPhone 6 Plusの発売 大型ディスプレイを搭載した新しいiPhoneモデルが登場し、デザインが大幅に変更。
・Apple Watchの発表 Appleの初のウェアラブルデバイスとして、Apple Watchが発表。
・株価22.61ドル (2014年3月1日)
【2015年】
・iPhone 6sとiPhone 6s Plusの発売 3D Touchテクノロジーが導入され、カメラ性能も向上。
・iPad Proの発売 大画面のiPadモデルが登場し、Apple PencilやSmart Keyboardなどのアクセサリーと共に発表。
・株価32.57ドル (2015年3月1日)
【2016年】
・iPhone SEの発売 小型のiPhoneモデルとして登場し、iPhone 6sと同様の性能を持っていました。
・MacBook Proのリニューアル Touch Barを搭載した新しいMacBook Proが登場。
・株価24.96ドル (2016年3月1日)
【2017年】
・iPhone 8とiPhone 8 Plus、iPhone Xの発売:Face ID(顔認識)が導入され、iPhoneデザインが大きく変更。
・iOS 11のリリース 新しい機能や改善が含まれる大規模なアップデートが行われた。
・株価38.19ドル(2017年3月1日)
【2018年】
・iPhone XSとiPhone XS Max、iPhone XRの発売 新しいiPhoneモデルが登場し、A12 BionicチップやSmart HDRなどの新機能が導入。
・iPad Proのリニューアル:ベゼルが狭くなり、Face IDが搭載された新しいiPad Proが発表。
・株価46.72ドル(2018年3月1日)
【2019年】
・iPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Maxの発売 新しいカメラ機能やA13 Bionicチップが搭載。
・Apple ArcadeとApple TV+のサービスが開始されました。
・株価43.77ドル(2019年3月1日)
【2020年】
・iPhone SE(第2世代)の発売 iPhone 8と同じデザインを踏襲しつつ、A13 Bionicチップを搭載。
・Apple Siliconの導入 MacにIntelプロセッサーからの移行が始まり、Apple Siliconチップ「M1」が搭載された新しいMacが登場。
・iPhoneの出荷台数が22億台に到達。
・株価79.48ドル(2020年3月1日)
【2021年】
・iPhone 13シリーズの発売 新しいカメラ機能やA15 Bionicチップが搭載された最新のiPhoneモデルが登場。
・iOS 15のリリース 新しい機能やプライバシー強化が含まれる大規模なアップデートが行われた。
・5つのカラーが選べるHomePod miniを発表。
・株価124.61ドル(2021年3月1日)
【2022年】
・新しいMacBook Air、13インチMacBook Proを発表
・AirPodsPro2が登場
・iOS 16、iPadOS 16、macOS Ventura、watchOS 9をリリース
・株価148.84ドル(2022年3月1日)
【2023年】
・VisionProを2024年に発売することを発表
・iPhone 15 Pro、iPhone 15シリーズのポートをLightningからUSB-Cに全面移行
・MacBook Proに「M3」「M3Pro」「M3 MAX」が登場
・株価177.25ドル(2023年3月1日)
【2024年】
・Appleの複合現実(MR)ヘッドセット「Vision Pro」が米国にて発売(2月2日)、同機では新たな認証システム「Optic ID」を導入。
もしも10年前にアップルの株を購入していたら?
【投資の結果】
10年前、つまり2014年3月1日にアップルの株を購入していた場合、株価は約22.61ドルでした。現在の株価は177.25ドル(2023年3月1日時点)であり、増加率は約683%の成績となります。この期間にアップルの株を持っていた投資家は、相当な利益を上げることができました。
【同期間のS&P500のパフォーマンス】
米国経済を代表する500社で構成されたS&P500の同期間のパフォーマンスを見ていきます。
2013年3月1日の株価1630.74ドル、2023年3月1日の株価4179.83ドルであり、
増加率は約156%の成績となります。
今後の展望
2024年2月時点で時価総額世界一の企業はマイクロソフトですが、「Vision Pro」の成功によっては再びマイクロソフトを抜いて1位に返り咲くかもしれません。
今後、iPhone17シリーズあたりから本格的な導入が始まるといわれるアップルのAIなどによって、アップルの将来の株価に対する期待がさらに高まる可能性があります。
また、新製品や技術の導入、サービスの成長が引き続き株価に影響を与えるでしょう。
投資の成功は市場の変動や企業の動向に依存しますが、アップルは革新的な製品やサービス、堅調な業績によって、現在まで投資家に安定したリターンをもたらしています。
なによりユーザー自身が広告塔である、それがアップルの強さの秘訣なのです。
文/鈴木林太郎