アルツハイマー病治療剤「レカネマブ」が中国で承認、アメリカ、日本に続く世界で3か国目
エーザイとバイオジェンが共同で開発したヒト化抗ヒト可溶性アミロイドβ凝集体モノクローナル抗体「レケンビ®点滴静注200mg」「同500mg」(一般名:レカネマブ、以下「レケンビ」)が2023年12月20日に日本で発売された。
本剤は、日本において、2023年9月25日に「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」の効能・効果で製造販売承認を取得。厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会総会において、薬価基準収載および最適使用推進ガイドラインが了承された。
アメリカでは、米食品医薬品局(FDA)が2023年7月に承認しており、日本での発売はアメリカに次いで2か国目となる。
また、2024年1月9日には中国でアルツハイマー病治療剤として承認を取得したと発表。アメリカ、日本に続く、世界で3か国目の承認となった。
「レケンビ」は、可溶性アミロイドβ凝集体(プロトフィブリル)に選択的に結合するとともに、Aβプラークの主要構成成分である不溶性アミロイドβ凝集体(フィブリル)にも結合し、脳内のAβプロトフィブリルおよびAβプラークを減少させると考えられている。
これらの作用により、アルツハイマー病(AD)の進行を抑制し、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせることを実証し、承認された世界初で唯一の治療薬だ。
実は、エーザイとバイオジェンは、2021年にアメリカで迅速承認を受けたアルツハイマー型認知症の治療薬「アデュカヌマブ」も共同開発したが、2024年1月31日にバイオジェンが開発および販売を中止したと発表。「レケンビ(レカネマブ)」の普及に注力するという。
認知症患者は世界で増加しているといわれており、2050年までに3倍になると予測したデータも発表されている。新薬「レケンビ(レカネマブ)」に世界の期待が集まるのは間違いない。
関連情報:
「レケンビ®」(レカネマブ)、中国でアルツハイマー病治療剤として承認を取得
https://www.eisai.co.jp/news/2024/news202403.html
文/ob1