東京・神奈川・埼玉・千葉からなる首都圏で持ち家を考えている人の中には、割高な新築の戸建やマンションではなく、中古マンションの購入を検討している人もいるはずだ。
では、首都圏エリアにおける中古マンションの平均価格は、現在いくらなのだろうか?
不動産情報サービスのアットホームはこのほど、首都圏における「中古マンション」の価格動向(2023年12月)を発表した。
本調査は、同社の不動産情報ネットワークで消費者向けに登録・公開された中古マンションの価格動向について、アットホームラボに調査・分析を委託したものだ。
首都圏8エリアの平均価格(前年同月比・指数の推移)
首都圏の1戸あたり平均価格の前月比は+0.5%と2カ月ぶりに上昇した。一方、前年同月比は-0.6%と2カ月連続の前年割れとなっている。エリア別の前月比は、6カ月連続で下落した千葉県西部を除く7エリアが上昇し、うち4エリアは+1%以上の上昇となった。
なお、東京23区、東京都下、神奈川県他の3エリアは2017年1月以降最高額となり、中でも東京23区は5カ月連続の更新となっている。
■東京都(23区/都下)
23区の1戸あたり平均価格は5,097万円で前月比+1.0%と7カ月連続で上昇し、2017年1月以降最高額を5カ月連続で更新した。
また、前年同月比は+3.4%と上昇したが、これは物件数割合が高いファミリー向きにおいて、築40年超を除く築年帯で平均価格が前年同月を上回ったことが一因となっている。
都下の1戸あたり平均価格は3,241万円で前月比+0.5%と2カ月連続で上昇し、2017年1月以降最高額を更新した。また、前年同月比は+2.4%と上昇し、30カ月連続の前年同月超えとなっている。
■神奈川県(横浜市・川崎市/他)
横浜市・川崎市の1戸あたり平均価格は3,386万円で前月比+0.2%と3カ月ぶりに上昇した。また、前年同月比は+0.4%と上昇したが、これは物件数割合が高いファミリー向きにおいて、全ての築年帯の平均価格が前年同月を上回ったことが一因となっている。
神奈川県他の1戸あたり平均価格は2,637万円で前月比+2.1%と上昇し、2017年1月以降最高額を更新した。また、前年同月比は+2.1%と上昇し36カ月連続の前年同月超えとなっている。
■埼玉県(さいたま市/他)
さいたま市の1戸あたり平均価格は3,473万円で前月比+1.6%と5カ月ぶりに上昇した。なお、前年同月比は+0.9%と上昇を維持しているものの、物件数割合が高いファミリー向きにおいて築40年超が前年同月割れに転じるなど、下落する築年帯が増加している。
埼玉県他の1戸あたり平均価格は2,552万円で前月比+0.3%と2カ月連続で上昇した。一方、前年同月比は-1.8%と下落し4カ月連続の前年同月割れとなっている。
■千葉県(西部/他)
西部の1戸あたり平均価格は2,875万円で前月比-0.2%と6カ月連続で下落した。また、前年同月比は-2.7%と2カ月連続で下落したが、これは物件数割合5%以上および10%以上の面積・築年帯において、大型ファミリー向きの築10~20年、築30~40年を除き、平均価格が前年同月を下回ったことが一因となっている。
千葉県他の1戸あたり平均価格は2,055万円で前月比+1.7%と3カ月ぶりに上昇した。また、前年同月比は+1.2%と上昇し、63カ月連続の前年同月超えとなっている。
<調査概要>
不動産情報サービスのアットホーム株式会社の不動産情報ネットワークで消費者向けに登録・公開された中古マンションの価格動向について、アットホームラボ株式会社に調査・分析を委託し、アットホームが公表するものだ。
◆対象エリア
東京都(23区/都下)、神奈川県(横浜市・川崎市/他)、埼玉県(さいたま市/他)、千葉県(西部※/他)
※千葉県西部:柏市、松戸市、流山市、我孫子市、市川市、浦安市、習志野市、船橋市
◆対象データ
不動産情報サイトアットホームで消費者向けに登録・公開された中古マンション(重複物件はユニーク化)
◆定義
・本調査では、上記対象データの「1戸あたり登録価格(売り希望価格)」を「価格」と表記している。
・コメントでは、30m²以下を「シングル向き」、30m²~50m²以下を「カップル向き」、50m²~70m²以下を「ファミリー向き」、70m²超を「大型ファミリー向き」としている。
出典元:アットホーム調べ
構成/こじへい