K-POPファン以外も虜にする理由
正直、韓国やK-POPにまだまだ拒否反応を示す層も決して少なくない日本でも、『Dynamite』リリース以降、BTSは凄まじい人気を得ている。しかも全員が全員、元々K-POPファンだったり、韓国に詳しかったりしたわけではない。
BTSを好きになって初めてK-POPに触れた方も非常に多いと聞く。実際、筆者の周りにも「BTSで初めてK-POPアーティストを好きになった」とか、「BTSで初めてボーイズグループにハマった!」という人が頻出している。
では、なぜBTSはここまで人気なのか?
その理由もまた、端的に説明するのは難しい。理由がありすぎるのだ。その中でも何点か挙げるとするならば、「抜群のパフォーマンス力」「楽曲に込められたメッセージ性」、そして「7人それぞれの個性的なキャラクター」ではないかと思う。
■生歌で魅了するパフォーマンス
筆者が初めてBTSのパフォーマンスを生で見たのは、2018年に行われた「BTS WORLD TOUR ‘LOVE YOURSELF’」の東京ドーム公演だった。オープニング曲の『IDOL』のパフォーマンスを見て、「まさか生歌なのか!?」と鳥肌が立ったのを覚えている。
『IDOL』は歌とラップが矢継ぎ早に繰り出される華やかなメロディと、BTSの楽曲の中でも特にハードなダンスを披露する一曲だ。そんなハードなダンスを、キレッキレに、鮮やかに、エネルギーいっぱいにパフォーマンスする7人を前に、一瞬にして虜となった。この圧倒的なパフォーマンス力が、人々を熱中させるのだろうなと思った。
その実力はライブじゃなくても、十分に伝わってくる。ゴリゴリのハードなダンスを難なくこなすBTSを見たかったら、ぜひ『IDOL』や『ON』、『MIC Drop』などのパフォーマンス動画をYouTubeなどで見ていただきたい。
■メンバーの〝今〟が歌詞に込められた楽曲
BTSは、メンバーたちがほとんどの楽曲の作詞作曲に携わっており、その時の自分たちの状況や感情、ファンに伝えたいメッセージを楽曲に込めている。『DOPE』では「お前が一晩中クラブで遊んでた時 一晩中仕事してた」「作業室にこもって青春が腐っていっても おかげでこのまま成功街道を走る」と当時の想いをストレートに表現した言葉が散りばめられ、「これが俺たちのスタイル(バンタンスタイル)だ!」と歌っている。
そして個人的に大好きな一曲『Answer:Love Myself』は、「誰かを愛するより自分自身を愛すことのほうが難しいかもしれない」というメッセージが込められた楽曲。7人の美しい歌声と、「昨日の僕 今日の僕 明日の僕 ひとつ残らず余すことなく僕なんだ」「自分の過ちや傷跡も全部自分の星座」と、どんな自分だって愛していこうと歌う力強い歌詞は、辛い時や落ち込んだ時、自分自身を嫌いになりそうな時、前向きな力を与えてくれるのでぜひ聴いてほしい。
■才能溢れる、愛すべき7人のキャラクター
そして、何と言っても7人それぞれのキャラクターが個性的すぎる。
IQ148という天才的な頭脳の持ち主、英語も堪能なリーダー・RM。彼はアイドルというよはりもはや〝人格者〟である。なのに、ちょっとおっちょこちょいという愛らしい素顔もある。BTSの最年長・JINは自分自身を「ワールドワイドハンサム」と名乗る(実際にそれはそう)、とにかく愛されキャラだ。SUGAは一見クールで無気力に見えるが、人一倍BTSと音楽に熱い男。カリスマ性あふれるSUGAを、ファンは応援しているというより、もはや崇拝している。J-HOPEはその名の通り、BTSの希望であり太陽。抜群のダンス力とハッピーオーラで常にBTSとARMYを明るく照らす存在だ。繊細でしなやかなダンスで多くの人を魅了するJIMINは、BTSイチ〝あざとかわいい〟キャラとして知られる。美しすぎるビジュアルでARMYを沼に落とまくっているVは、実は人懐っこく、かわいらしい性格というギャップがある。末っ子のJUNG KOOKはビジュアル、歌、ダンス、バラエティと全てを完璧にこなす〝黄金マンネ(末っ子)〟。ストイックで負けず嫌い、努力家な一面もある。
このように、7人全員に愛すべき要素があり、知れば知るほど好きになってしまうのだ。
2025年のBTSはどんな世界を見せてくれるのか
BTSについては、正直まだまだ全然書き足りない。「あれも書けばよかった」「これも書きたい」と、どんどん想いが湧いてくる、良い意味でライター泣かせのグループである。
現在はメンバー全員が兵役に行っており、完全体となるのは2025年と言われている。兵役期間中も、ARMYのためにさまざまなコンテンツを残してくれた7人は、今もなお、変わらず世界中から愛され続けている。
リーダーのRMが「軍隊で学んで帰ってきたら、BTSとして語るものやエネルギーがたくさん築かれていると思う。『真のチャプター2』を楽しみにしてほしい」とファン垂涎の言葉を残している。今から2025年を楽しみに待っていたい。
文/紺野真利子
エンタメ系ライター。俳優、アイドル、声優などのインタビュー記事やK-POP関連のコラムなどを執筆中。共著『BTS Journal』が発売中。