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米国では1975年から2019年の間に乳がんによる死亡者数が58%減少、スタンフォード大学研究報告

2024.02.03

米国での乳がんによる死亡者数減少の要因は?

1975年から2019年の間に米国では乳がんによる死亡者数が58%も減少し、この減少には、医療技術の進歩と定期的な乳がん検診の導入が寄与した可能性のあることが、米スタンフォード大学助教のJennifer Caswell-Jin氏らによる研究で明らかにされた。

この研究の詳細は、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」2024年1月16日号に掲載された。

この研究では、2000年に米国立がん研究所によって設立された研究者のコンソーシアムであるCancer Intervention and Surveillance Modeling Network(CISNET)が開発したシミュレーションモデルが用いられた。

CISNETの研究者らは2005年に発表した論文で、1975年から2000年までの乳がんによる死亡者数の減少の28〜65%はマンモグラフィによる乳がん検診によってもたらされたと推定していた。

その後、CISNETの研究者らが2018年に発表した研究では、いくつかのタイプの早期乳がんは治療に対する反応が良く、そのことが死亡者数の減少に寄与していることが明らかにされた。

今回の研究論文の上席著者でCISNETの主任研究員でもある同大学医用データ科学部長のSylvia Plevritis氏は、「検診は依然として重要な影響を及ぼしているが、年間死亡者数の減少の大部分は、個々のがんの分子プロファイルに基づいた早期乳がん治療の向上によるものであることが分かった」と言う。

今回の研究では、初めて進行乳がん患者がモデルに組み込まれた。研究では4つのコンピューターモデルを用いて1975年から2019年の連邦政府の健康サーベイランスのデータが評価された。

その結果、マンモグラフィ検診、早期乳がん治療、進行乳がん治療の寄与度に関しては、全てのモデルで驚くほど類似した推定値が導き出された。

具体的には、全体的な乳がんによる死亡者数の減少の47%(モデルの範囲35〜60%)はステージⅠ〜Ⅲの乳がんに対する治療、29%(同19〜33%)は転移を伴う進行乳がんに対する治療、25%(同21〜33%)はマンモグラフィ検診に起因していると推定された。

進行した乳がんは完全な治癒は不可能と考えられているが、医療の進歩を背景に進行乳がんの女性の生存期間は以前よりも長くなっていることも示された。

進行乳がんと診断された患者の平均生存期間は2000年には1.9年(モデルの範囲1.0〜2.7年)であったのに対し、2019年に診断された患者では平均3.2年(同2.0〜4.9年)に延長していたのだ。

ただし、生存期間は乳がんのタイプによって異なっていた。例えば、エストロゲン受容体(ER)陽性かつERBB2(HER2)陽性の乳がん患者では、2000年から2019年にかけて平均生存期間が2.5年(同2.0〜3.4年)延長していた。

また、HER陽性でERBB2陰性の患者では1.6年(同0.6〜3.0年)、ER陰性ERBB2陽性の患者でも1.6年(同0.8〜2.8年)、ER陰性でERBB2陰性の患者では約0.5年(同0.3〜0.8年)の延長が示された。

Caswell-Jin氏は、「われわれは当初、2つの論文で報告した乳がん死亡率の低下に進行乳がんの治療の向上が大きく寄与している可能性は低いと考えていた。しかし、治療法の進歩によりその影響は明白になっている」と同大学のニュースリリースで述べている。

さらにCaswell-Jin氏は、「乳がん専門医として、このような歴史に触れ、過去数十年の進歩を目の当たりにするのは意義深いことだった」と振り返る。

そして、「転移性乳がんはまだ治癒可能ながんではないため、これからするべきことは山積みだ。しかし、医学の進歩によりこれらの数字に変化が生じていることを確認できたことは、大きな励みになっている」と話している。(HealthDay News 2024年1月22日)

Copyright © 2024 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2813878

Press Release
https://med.stanford.edu/news/all-news/2024/01/breast-cancer-deaths.html

構成/DIME編集部

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