私、シニアソムリエの植田真未が2024年、@DIME読者のみなさんへ、最初にお勧めするワインのテーマは「感謝」です。年初から災害や事故が相次いで起こり、何でもない日常がどんなに貴重であるかを、あらためて感じさせられる毎日です。ふつうの日常に感謝しながら、一日一日を大切に過ごさなければいけないと思っています。
ワインはぶどうを植えればすぐ最高のワインが出来上がるわけではありません。先人たちの苦労、努力、挫折、忍耐など、多くの時間と労力があってこそ、歴史と共に味わいが培われ信用となり、ブランドになっています。長い年月の間には、絶望の日々もあったことでしょう。そうした苦労を乗り越えて、美味しいワインを造ってくれた先人と生産者に、まずは感謝です。そして家族に、仲間に、自分にも感謝しながら、美味しいワインをいかがでしょうか?
欧州一の称号、ヨーロピアン・ワイナリー・オブ・ザ・イヤー受賞!
ドメーヌ最上級のクラス“IIIB(トワベー)”の上質なシャルドネのふくよかな味わいが最高!
1. IIIBトワベー・エ・オウモン 2022(白ワイン)
生産地:フランス/ラングドック&ルーシヨン
生産者:ドメーヌ・ポール・マス
ぶどう品種:シャルドネ100%
味わい:辛口
カルカッソンヌ近郊ペセナスで1892年からブドウ栽培を行ってきたマス家。現在のオーナー、ジャン・クロード・マス氏の代になり、「高品質であると同時に低価格であること」にこだわったワイン造りへと大きく変貌を遂げました。
豊富な経験と鍛え抜かれた鋭い味覚で生み出される高い品質がジャン・クロード・マス氏の強みです。「期待通りでないワインは決してボトリングしない」、という厳しい姿勢で、誰もが認める今日の信頼を築き上げました。伝統を尊重しながら、新しい手法や考え方にオープンであるという彼の人柄がワインに表れています。
「世界で最も称賛されているワインブランド(The World’s Most Admired Wine Brands 2015)」ではシャトー・ムートン・ロートシルトなど世界的な銘醸シャトーと肩を並べて堂々の16位にランクインしました。名実ともに世界トップクラスのワイナリーです。
“IIIB(トワベー)”はドメーヌ最上クラスを意味する言葉で、その名の通り、上質なリムーのシャルドネを使用。トロピカルフルーツを想わせるとてもふくよかな味わいです。黙ってこのワインを出されたら、「このふくよかな味わいはシャブリの上物(プルミエ・クリュ)だ」と間違える人がいるというのも納得の味です。2024年、感謝がテーマのワインとして、真っ先におすすめしたい一本です。
とても珍しいテンプラニーリョブランコ100%の白ワイン!
しっかりした骨格でエレガントな余韻を楽しんで!
2. ヴァルデバロン・ブランコ 2021(白ワイン)
生産地:スペイン/リオハ
生産者:ボデガス・オンダーレ
ぶどう品種:テンプラニーリョ・ブランコ100%
味わい:辛口
ボデガス・オンダーレは1986年設立。ログローニョから8kmほど離れたビアナの街にあります。リオハ全域に300haの葡萄畑があり、気候は温暖で夏は短く秋は穏やかでワイン造りに適した土地となっています。
赤ワインはレセルヴァとグラン・レセルヴァのみを生産するこだわりの生産者。ヴァルデバロン・ブランコ 2021は非常に珍しい品種である、テンプラニーリョ・ブランコ100%の白ワインです。
テンプラニーリョ・ブランコは、テンプラニーリョ(黒葡萄)を主体とした樽熟成の赤ワインの銘醸地リオハで、1988年にテンプラニーリョの古木に2房の白葡萄が突然変異種として発見された新しい葡萄です。発見は、まさに奇跡的な出来事でした。
粘土石灰質の北向き斜面の畑で少量生産され、フレンチオークで発酵し、アメリカン、フレンチオークとアカシアの樽で4ヶ月熟成させます。明るい麦わら色で白い花の繊細なアロマを感じられ、しっかりとした骨格のエレガントな口当たりのワイン。長い余韻が続きます。