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女性弁護士を自殺に追い込んだ代表弁護士による悲痛な性加害事件とその真相

2024.02.01

こんにちは。

弁護士の林 孝匡です。

痛ましい事件です。新米の弁護士さん(以下「Xさん」)が、代表弁護士から性的行為を受け、自死に追い込まれた事件です。

Xさんのご両親が代表弁護士を訴え、裁判所は1億円を超える賠償を命じました(弁護士法人S法律事務所事件:大分地裁 R5.4.21)。

Xさんの友人の裁判官も出廷して、Xさんが受けた性行為を証言しています。

今回は、その判決文を読み解いていきます。
※ 判決文が70ページ以上もあるため一部抜粋して簡略化しています。

当事者

▼ 加害者(Y弁護士・男性)

・代表弁護士
・元弁護士会の会長
・元日弁連の理事
・64歳くらい
・妻あり

▼ 亡くなったXさん(女性)

・弁護士(4年目)
・享年32歳
・性格:真面目で努力家で責任感が強かった。おとなしい。頼まれたらうまく断ることのできない性格。事を荒だてるよりかは、自分が我慢することを選ぶタイプだった。

事件の概要

▼ 危険な弁護士事務所に入所

H26.12、弁護士になり、ある事務所で勤めることになりましたが、そこには鬼畜のようなY代表弁護士がいました。

Y弁護士は、事務所の上のフロアに自身のプライベートルームを設けていました。自分が休憩する時に使用していたようです。そこには、ベッドに変形するソファがあり、焼酎・ブランデーが置かれていました。

▼ Xさんを襲う

Xさんが入所して3ヶ月くらい経ったころ。Y弁護士は、そのプライベートルームで、嫌がるXさんと1回性交渉し、7~8回の性的行為をしました。それから、3年半ほどXさんはY弁護士の行動に悩まされ続けていたようです。

▼ 父の誕生日会でXさんが帰省

H30.8.24、Xさんが実家に帰ります。父の誕生日会で、父母と居酒屋に行きました。

▼ 最後の別れ……

8.26、Xさんは実家を出る時、スーパーの裏口で母に対して「お母さん、ぎゅっとして」と言いました。お母さんは「子どもみたいだね」と言い、Xさんを抱擁しました。Xさんは精神的に相当追い込まれた状況だったのでしょう。

▼ 自殺

その翌朝のことです。Xさんは自分のアパートで自殺します。Xさんが出勤してこなかったので、Y弁護士が警察官を伴いXさんの自宅に行くと、スーツを着た状態で首を吊り、壁にもたれかかっていました。 

▼ 遺書

遺書が2通ありました。事務所宛と家族宛です。

■ 事務所宛の遺書の要約

・事務所にいる間、ずっときつかった。
・事務所の2階なんかで処女を失って、毎日のように部屋に来ては「俺のこと好きか?」と聞かれた。
・ずっとやめたかったけど代わりの1人を連れてこないと辞められないと言われた。
・そんな気力はもうないです。もうムリです。本当に申し訳ありません。

全文は以下のとおりです(判決文より引用)

■ 家族宛の遺書の要約

・お父さん、お母さん、お姉ちゃん、お義兄さん、おじいちゃん、おばあちゃん、本当にごめんなさい。
・家族といる時が一番幸せだった。
・皆、私の自慢で、誇りで、大好きだよ。
・お父さん、誕生日の次の日にごめんなさい。司法試験に受かった時、泣いて喜んでくれたの、忘れられないよ。

全文は以下のとおりです(判決文より引用)

▼ 提訴

ご両親がY弁護士に対して損害賠償請求しました。

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