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BMWが造ったジキルとハイドのようなモンスターSUV「XM」の魅力

2024.01.27

 CO2削減の切り札として期待され、出現した電気自動車だが、欧州の自動車メーカーは次のステージへと向かい始めたようだ。これまでもEVは、スタートからのトルクの立ち上がりのレスポンスのよさなどで、ガソリンスポーツカーを凌ぐ、動力性能を見せつけてきた。そのスポーツ性能をメーカーの技術者が見逃すはずがない。早速、エンジン+モーターのプラグ・イン・ハイブリッドに新しい風を吹きこんできた。それがBMW「XM」だ。

 BMWのXモデルは1999年に「X5」が誕生したのが始まり。Xモデルというのはオンロード性能を高めたSUV(BMWはSAV=スポーツ・アクティビティ・ビークルと呼んでいる)を指す。2004年には第2弾として「X3」、2008年は「X6」、2010年「X1」と続き、2014年「X4」、2018年「X2」、2019年に「X7」が発表されている。現在では7モデルがラインナップしている。

 この中で、BMWは1車種もXシリーズにMモデルを設定してこなかった。Mモデルというのは、BMWのモータースポーツ部門が手がけるハイパフォーマンスカーで、サーキット走行を可能としたMハイパフォーマンスと、サーキットで培われた技術を投入したMパフォーマンスモデルがある。

「XM」ハイパフォーマンスモデル。つまりサーキット走行を可能にしたモデルということになる。既にEVのフォーミュラレースが開催されているが、プラグインもサーキットを走る時代になっている。それにしても凄いプラグ・イン・ハイブリッドを造ったものだ。というより、こういうクルマの生産をOKする経営陣も凄い。

 試乗車は、フルスペックでワンプライス設定。車両価格は2130万円。そのデザインは大型のステーションタイプのSUVだが、フロントデザインでは、キドニーグリルがヘッドライトの間に八角形のレイアウトで、周囲はゴールドで縁どられている。夜になれば、キドニーグリルが光出す。サイドに回りこめば、フロントドアのウインド周辺からリアクォーターにかけて、太いゴールドのラインが入っている。さらに23インチホイールと前275/45R23、後315/30RR23のタイヤも標準装着されている。リアも幅が薄く、長いテールライトとバンパー下のマフラーの周辺にもゴールドの縁どりがされている。

 内装も12.3インチのメーターパネルと14インチのコントロールディスプレイは一体になり、大きく湾曲させたカーブドパネルを用いている。ハンドルはMレザーハンド、エンジンスタート/ストップボタンはレッドで、これはMモデルの特徴でもある。シフトレバーは備わっているが、コントロール類など全体のレイアウトはすっきりとしている。

 高めの着座位置に着いてポジションを決める。スターターボタンを押すと、電池の残量と可能走行距離が表示される。98%、93km。試乗車はすでに8000km以上を走行、その間の充電の大半は急速充電だったはず。にもかかわらず、この性能を維持しているのは素晴らしい。新車時のカタログ値は100%90kmだ。

 走り出す前にセレクトするモードがいくつかある。Mセレクトはハイブリッド/エレクト/eコントロール。ドライブモードはロード/スポーツ。さらに回生/シャーシ/ステアリング/ブレーキ/Mドライブの各項目も3段階で調節できるM車独特の細かいセッティングがマニアックさを象徴している。電子制御ダンパーとアクティブロールスタビライザーを備えたアダプティブMサスペンションプロフェッショナルの制御は複雑だ。

 ハイブリッド+ロードモードで走り出す。アクセルをフツーに踏んでいるとEV走行だ。2.7tのボディーだがアクセルONで即座に軽快に走り出す。総電池容量29.5kWhで電気モーターは195PS、280Nmを発生する。そのパワーで巨体は軽々と動くのだ。

 しかし、充電は手軽にというわけにはいかなかった。街中や首都高を走り、電池の残りが5%を表示したところで、自宅で充電してみた。200V、3kWなので、100%充電に要する時間は9時間29分と表示された。実際に9時間半後に調べると94%充電で、走行可能距離は84kmと表示されていた。

 だが「XM」の魅力はこれだけではない。充電残量がゼロになり、エンジンが始動した時だ。突然、フロントボンネット下に搭載されているV8、4.4Lターボが、雄叫びを上げた。そう表現してもいいぐらいの爆音が響いた。最近、EVや実用燃費、環境に厳しいクルマばかりに試乗していたので、久々に大排気量、V8エンジンの吃哮を耳にした。これをサーキットで耳にしたら、全身にアドレナリンが駆け巡るに違いない。

 動力性能をチェックする。0→100kmの加速は5秒台。2.7tの巨体がこのスピードで、V8の爆音を轟かせながら走る姿は大迫力。EVやPHEVなどの優等生の中で、このようなワルをつくる、という勇気は日本の自動車メーカーでは考えられない。

 そう考えながら、EVモードに切り替えて都会を走る。その姿は、大型の大人しいSUVにしか見えない。クルマの世界でのジキルとハイドとはこういうクルマのことを言うのだ。

■関連情報
https://www.bmw.co.jp/ja/all-models/m-series/xm/2023/BMW-XM.html#tab-0

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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