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2024年は企業が量子コンピューティングの重要性を理解する年に

2024.01.24

アイデンティティ

■AIが本人確認の条件を変えてしまうため、それに基づいて法律が制定される

2023年、私たちは社会におけるAIの可能性と実力を目の当たりにした。AIはすでに、データ分析、画像生成など、あらゆる種類の処理タスクや認知タスクを短時間で実行し始めている。

そのため、AIの能力を本人確認に向けることで混乱を生じる可能性がある。たとえば、空港の自動化ゲートでは、AIを活用して本人確認を行ない、乗客の流れをスムーズにしている。

AIの普及が進むことと、身元を確認し証明する方法がさらにデジタル化される未来が組み合わされることで、偽装やなりすましのための新たな脅威や技術が出現する可能性が高くなる。

2024年は、アイデンティティテクノロジーを容易に突破するためにAIが利用される年になるだろう。これにより、AIとそのマーカーを検出できるツールが大幅に成長するとともに、リスクに対抗するための新たな法律の制定を求める声が高まることが予想される。

■2024年にはパスキーがデジタルバンキング領域を支配する

来年には、同期されたパスキーが業界を超えて大規模に採用されるだろう。これにより、金融部門、特に銀行は、デジタルバンキング分野のコンプライアンスとセキュリティのレベルを維持しながら、市場の需要に合わせてパスキーの採用を推進するようになるはずだ。

銀行にとっての課題は、これを効率的かつ多要素認証(MFA)を必要とする「PSD3」などの新しい標準に準拠した方法で行なうことであり、多くの場合ハードウェアトークンなどのツールに頼ることになる。

銀行は、セキュリティや使いやすさといった同様のメリットを確保するために、同期パスキーではなくデバイスバウンドパスキー(デバイスに紐づけられたパスキー)に投資することで、この導入と展開の課題に対処すると推察できる。

■デジタルアイデンティティとデジタル通貨の技術、および関連協定が進歩するにつれて、2024年にはデジタル通貨が大きく発展

2023年、アップルは米国の大手銀行ゴールドマン・サックスとの提携を拡大し、デジタルウォレットと緊密に統合されたアップル独自のクレジットカードからアクセスできる、高利回りの普通預金口座を立ち上げた。

これは、同社が2023年に発表した複数の金融サービスのうちのひとつにすぎない。

また、2019年からすでにEU全域で電子マネーのライセンスを取得しているGoogleなどのサービスも、その例のひとつとしてあげられる。欧州中央銀行がデジタルユーロプロジェクトを加速させ、米国政府が「プロジェクト・シーダー」の下で独自の通貨を進めるなか、2024年にはこの種の通貨が大きな進歩を遂げると予想される。

■2024年、暗号化と署名キーが、アイデンティティとデータのセキュリティのために本格的に使用される

データ主権はあらゆる種類のグローバル企業にとってさらに大きな関心事となっており、特に国外に拠点を置く企業にとっては、パブリッククラウドへの移行を妨げる要因となっている。同時に、パスワードレスでの本人確認と暗号化の両方で、署名キーの使用が大幅に増加している。

2024年には、パブリッククラウドベンダーと密接に統合された、より一元的なキーマネジメントシステムが登場し、現在多くの企業が抱えている、パブリッククラウドへの完全な移行への障壁が解消されるだろう。

企業が暗号化キーのライフサイクル全体をより細かく管理できるようにすることで、企業が持つデータの主権に関して必要な保証を顧客に提供することが可能になる。

関連情報
https://cpl.thalesgroup.com/ja

構成/清水眞希

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