賃貸物件の退去時に入居者が間違えやすい「負担しなくてもいい回復費用」TOP3、3位冷蔵庫設置による壁焼け、2位家具を設置してできた床やカーペットのへこみや跡、1位は?
2024.01.22事業を通して社会課題解決に取り組むLIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」では、5年以内に賃貸物件から引越しをした1075名を対象に調査を実施。「退去費用は入居者負担?間違えがち項目ランキング」として結果を発表した。
引越しシーズンになると毎年話題になる「退去費用トラブル」
2月から3月は新生活に向けて引越しをする人が増える時期。そんな引越しシーズンに毎年SNS等で話題になるのが「退去費用にまつわるトラブル」だ。
国土交通省は賃貸物件の退去時における原状回復をめぐるトラブルを未然に防ぐことを目的に、原状回復の費用負担のあり方などをまとめた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(以下「ガイドライン」)を公開している。
ガイドラインを把握していれば納得感をもって退去費用を負担することができる上に、減額交渉をすることもできる。
しかしながらガイドラインを読み込んで理解するのもなかなか大変だ。そこで今回は、5年以内に賃貸物件から引っ越した1075名にアンケートを実施することで、特に間違いが多かったものをランキング化。特に注意すべきポイントを明らかにした。
■退去費用について過半数が「納得がいかなかった」
「賃貸物件の退去費用について納得はいきましたか?」という質問に対し、「納得がいかなかった」と回答したのは過半数の51.6%となった。そのうち10.9%は「納得がいかず交渉をして減額となった」と回答しており、提示額はそのまま飲み込まなければならないもの、というわけではないようだ。
■賃貸契約で発生する「原状回復義務」だが意味を理解できているのは約4割
賃貸物件を借りると、入居者(借主)には「原状回復」義務が生じる。ガイドラインでは「貸借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、貸借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による消耗・毀損を復旧すること」と記載されており、わざと壊したり、不注意で傷をつけたり、掃除を怠ったりしてできた汚れなど、入居者の使い方に問題があったことでできた汚れや傷の修繕費用を入居者が負担すると定義されている。
しかしながら「原状回復」という言葉の意味について、最も考えに近いものを選んでもらったところ、最も多かった回答が「借りた当初の状態に戻すこと」(48.2%)で、正しい理解をしている人は42.7%と半数にも届かなかった。