サムスンが最新のフラッグシップスマホ「Galaxy S24」シリーズを、グローバル発表しました。
Galaxyの中でも〝S〟を冠するモデルは、高性能なカメラ機能を中心に、最高峰の機能をふんだんに搭載するのが特徴。世界的に人気のシリーズが年初に発表されることから、その年に発売されるスマホの指標と目されることもしばしば。
Galaxy S24シリーズは果たしてどのような進化を遂げたのでしょうか? 頂上スマホの最新事情を、日本モデルより先取ってレポートします。
Galaxy S24シリーズは3モデル展開。日本発売はあるの?
Galaxy S24シリーズは、「Galaxy S24」「Galaxy S24+」「Galaxy S24 Ultra」の3モデル展開となります。
左からGalaxy S24、Galaxy S24+、Galaxy S24 Ultra
ここ数年、日本で発売されるモデルは〝標準〟モデルとUltraの2モデルとなっていますが、年々端末の価格が上昇していることもあり、大画面の中位モデルであるGalaxy S24+も発売してほしいというのが、個人的な見解です。
グローバル発表時点では、日本市場での発売日や発売価格、取り扱いキャリアなどは未定。おサイフケータイ機能の対応など、日本向けにカスタマイズすることが通例なので、発売までに少し時間がかかるかもしれません。ちなみに2023年に登場したGalaxy S23シリーズは、ドコモ、auより2023年4月20日に発売されているため、今年も春ごろの国内販売に期待しましょう。
今年もスマホはやっぱりAI推し!? Galaxy S24シリーズは生成AIを携帯できる!
スマホのみならず、ここ数年のデジタル業界で最も伸びている機能ともいえるのが、AI性能。そこが、他社と差別化を図れるポイントのひとつであり、メーカーの腕の見せ所といえるでしょう。
Galaxy S24シリーズでは、多くのAI処理をデバイス上で行えるようになっています。つまり、スマホでデータ通信が行えない状況でも、特定のAI機能が利用できるのです。
具体的には、通話中にも利用できるリアルタイムでの翻訳機能や録音ファイルのテキスト化などが、AIの処理によって可能になります。「AIメモ機能」を利用すれば、作成したメモを自動で要約し、見やすいように形を整えることもできます。
また、画面上を指で円形に囲むと円内をそのまま検索できる新機能、「かこって検索」も登場。従来のGoogle レンズアプリがより直感的に利用できるイメージで、動画再生中などにも使用できるのが魅力といえます。
Galaxy S24 Ultraは本体にはチタンフレームを採用
AI性能の進化のほか、明確に前モデルから変わったポイントとして挙げられるのが、Galaxy S24 Ultraの本体にチタンフレームが採用された点でしょう。
チタンといえば、2023年9月に発売されたiPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxで採用されているため、聞き覚えがあるという人も多いのではないでしょうか。チタン素材は、軽量ながら耐久性に優れていることが特徴となっており、約6.8インチのディスプレイを搭載しながら、質量は約233g。大画面モデルであり、Sペンを内蔵することを踏まえれば、比較的軽量に抑えられているといえます。
また、Galaxy S24 Ultraは、前モデルまでのエッジディスプレイではなく、左右の端まで平面なフラットディスプレイを搭載しています。エッジディスプレイには、画面いっぱいまで映像を表示できるといったメリットがあるものの、Sペンを利用するといった作業での誤操作の少なさは、フラットディスプレイに軍配が上がります。
ちなみに、3モデルのディスプレイサイズは、Galaxy S24が約6.2インチ、Galaxy S24+が約6.7インチ、Galaxy S24 Ultraが約6.8インチとなります。いずれのモデルも、最大輝度が2600ニトとかなり明るくなっており、屋外での視認性にも優れているのが魅力。なお、リフレッシュレートも全モデル共通で、1Hz~120Hzの可変式となっています。
カメラ、バッテリー、チップセットは文句なしのハイエンド仕様
Galaxy S24シリーズの搭載カメラは下記のようになります。
・Galaxy S24、Galaxy S24+:50MP広角、12MP超広角、10MP望遠
・Galaxy S24 Ultra:200MP広角、12MP超広角、50MP望遠、10MP望遠
Galaxy Sシリーズの特徴ともいえる高性能カメラは健在。AI性能の向上によって、暗所での撮影もより鮮明に行えるようなっています。
特にGalaxy S24Ultraは100倍のデジタルズームも搭載。また、本モデルより新たに、光学式手ブレ補正に対応しており、動画撮影にも強くなりました。
バッテリー容量は、Galaxy S24が4000mAh、Galaxy S24+が4900mAh、Galaxy S24 Ultraが5000mAhと、いずれも十分な容量。また、ワイヤレス充電、ワイヤレス給電にも対応しています。
搭載チップセットはSnapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxyとなります。現行のハイエンドチップセットとなっており、高い処理能力が魅力。新たに大型のベイパーチャンバーを搭載しており、処理性能の向上に伴う発熱にも配慮しています。
そのほか、生体認証は指紋と顔の2種類に対応。防水防塵性能はIP68となります。日本市場への投入モデルは不明ですが、従来通りなら、FeliCaを搭載するはずです。
2024年のハイエンドスマホは〝AI勝負〟がより鮮明に
近年のスマホは、「AIを使ってどのようなことができるのか」が1つの競争ポイントになっています。カメラ性能や処理性能などのスペックが頭打ちになりつつある中で、「この機種じゃないと○○ができない」という個性をどこまで出せるのかが重要になっています。
Galaxy S24シリーズでいえば、オンデバイスで処理できる翻訳機能やAIメモ機能、かこって検索といった新機能が特徴。現状ではAndroidスマホとしてシェアを争うGoogle Pixelシリーズと、大きく差別化できているとはいえないものの、サムスンはGoogle Cloudと協力し、Galaxy S24シリーズで生成AIを利用した体験を提供していくことを発表していることから、アップデートでの機能追加にも期待ができます。
Galaxy Sシリーズは、通信キャリアからの販売に加え、自社オンラインショップからSIMフリーモデルが発売されることにも期待ができるため、多くの人が手に取りやすくなっているのも特徴。また、Galaxy Harajuku、Galaxy Studio Osakaで実機が展示されているので、最新のフラッグシップスマホが気になるという人は、まず実機に触れてみるのもおすすめです。
取材・文/佐藤文彦