小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

ベストセラーモデルが前輪駆動から後輪駆動に進化!ボルボ「XC40 リチャージ」の実用性を探る

2024.01.20

 日本市場で売れているボルボ車といえば「XC40」。コンパクトサイズのSUVで日本デビューは2018年。ボルボは、早い時期から生産する乗用車をEV化することを宣言していた。2022年には電気自動車の「XC40 リチャージ」モデルをオンラインで販売を開始した。この時はツインモーターのAWDと、シングルモーターのFF仕様が用意されていた。

 ところが2024年モデルのラインアップではシングルモーターだけとなっていた。しかもFF仕様ではなく、RR仕様、つまりリアモーターのみの仕様になっていたのだ。AWDをベースにしているとはいえ、フロントモーターからリアモーターに代えるというのは、前代未聞のこと。ボルボによれば、「ドライバビリティーの向上のために変更した」という。こうした変更が可能なのも構造がシンプルなEVならではのことかもしれない。

 とにかく、後輪駆動になった「XC40リチャージ」モデルに試乗してみることにした。後輪駆動のボルボ「XC40」のリアモーターは73kWhの電池容量で、238PSの最高出力、418Nmの最大トルクを与えられている。ちなみに、前輪駆動の時は、68kWh、231PS、330Nmだったので、5kWh、7PS、88Nmの性能アップということになる。

 本国のスウェーデンでは後輪駆動のほか、これまでラインアップしていた4輪駆動も販売されているようだが、日本市場には入ってきていない。4輪駆動は昨年で販売打ち切りになっている。キーを受け取り運転席に座る。スタートボタンを押そうとしたが、ボタンがない。実は運転席に着座と同時に、シートにセンサーがあり、自動的にモーターオンの状態になるのだ。ブレーキペダルを踏み、シフトノブをDに動かせば、そのまま走行できる。アクセルを踏むと「XC40リチャージ」は、音もなく動き出した。

 走行中の「XC40リチャージ」は、ヒューンというモーターや駆動系の音もなく、無音に近い状態で走り出した。試乗車の充電状態は95%、航続可能距離は460kmと表示されている。カタログ値は100%で590km。試乗車はオドメーター914kmの新車だ。

 街中を走らせてみると、操縦性はやや重め。60km/hあたりの直進性もやや強めだ。コーナーでは切り込みはやや重めで、ハンドルの戻しも重めだった。低中速の動きを、前輪駆動の時と比較してみると、前輪駆動のときは操舵感が、明らかにコントロールされているようだった。低速の直進時はやや軽めで、切り込みは重めだが、戻しは強くなかった。前輪駆動のクセを電子制御で修正している感じがした。その点、後輪駆動になり、動きが自然になっている。

 しかし、高速域になると、この印象も変わってくる。後輪駆動の現行モデルは、直進、カーブでの動きは、やや重めになり、直進時の接地感やカーブでの吸い付き感は、若干だが、甘くなっているように感じた。これは、前輪への荷重のかかり方と関係があるのかもしれない。

 乗り心地は路面からのザラつきも、細かいゴツゴツとした動きもなかった。ゼブラ路面でも上下動にキツさは感じされなかった。ちなみに、以前に試乗した前輪駆動は、245/45R19、今回は235/45R20のいずれもピレリのタイヤ「P ZERO」を装着していた。

 室内は、基本的には前輪駆動モデルと同じだが、後席の床面の中央トンネルは低くなり、レッグスペースには余裕がある。荷室は奥行き、左右幅、高さなどは同じだが、サブトランクの高さは、現行車のほうが余裕があるようで、充電ケーブルなどは、床下のサブトランクに収納できた。

 充電に関しては自宅の200Vで行なうと電池容量が74%で、充電を開始すると7時間で充電完了の表示が出た。今回は試乗時間が長くなかったので、30.5kmを走行した。走行後にチェックしてみると、電気は8%減で、残りが87%、走行可能距離は430kmと表示されていた。スタート時は460kmだったので、30.5km走行は表示どおり。

 電費だが、のんびりと流した状態で、6.13km/kWhを記録。6km/kWh台というのはかなり良い数値だと思う。電費に関しては、運転者の走行テクニックによっても左右されるし、試乗車の場合、エアコンオンで走行可能距離が40kmも短くなってしまうのを目撃すると、電池技術などは、まだまだ開発の余地が潜んでいるはず、と思ってしまう。

 日進月歩で歩んでいるEV開発。次の一手が楽しみだ。

■関連情報
https://www.volvocars.com/jp/cars/xc40-electric/

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。