24年の世界景気は底堅く推移、日本を除き世界的に金融緩和局面へ
24年の投資環境は、リート市場にとって追い風となりそうだ。インフレの減速を受けて、米欧をはじめとした世界の中央銀行が金融緩和姿勢に転換し、利下げ局面に入るとみられるためだ。
また、三井住友DSアセットマネジメントは、24年の世界経済の成長率見通しを前年比+3.0%と、23年と同様に底堅く推移すると想定している。
24年の米国経済は、これまでの利上げの累積効果から緩やかに減速するものの、雇用が安定していることから、景気は底堅く推移する見通しだ。
インフレが減速傾向にあるなか、FRBの適切なタイミングでの利下げによって景気後退(リセッション)入りは回避され、ソフトランディングに至ると見込んでいる。
米国景気のソフトランディングは、各国・地域の需要を支え、24年の世界経済は底堅く推移すると見込んでいる。
中国景気が減速するものの、欧州(ユーロ圏)は財政支援などから景気腰折れを回避すると見込んでいる。日本の景気については、インバウンド消費の持続、物価上昇圧力の緩和、賃金の上昇などにより、回復基調を維持すると想定している。
三井住友DSアセットマネジメントは24年の金融政策について、景気とインフレの減速を受けて、FRBが5月以降、概ね四半期に1度のペースで0.25%の利下げを行うと想定している。
米国の利下げはグローバルな中央銀行の緩和余地を生み、24年はグローバルな利下げ局面が見込まれる。
三井住友DSアセットマネジメントは、ECBもFRB同様に、24年第2四半期以降、四半期に1度のペースで0.25%の利下げを行うと予想している。また、世界の多くの中央銀行もFRBに追随するとみられる。
ただし、これまで金融緩和を続けてきた日本は他国に遅れて引き締めに動くとみられる。三井住友DSアセットマネジメントは、日銀が3月中旬に迎える春季生活闘争(春闘)の集中回答日における賃上げ傾向の継続を確認した後、4月の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロールの撤廃とマイナス金利の解除を決定するとみている。
また、その後は当面、ゼロ金利政策が続く可能性が高いと考えている。