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2024年はグローバルな長期金利の低下によって世界景気は緩やかな拡大基調へ

2024.01.22

三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、チーフリサーチストラテジストの石井康之氏による「2024年のグローバル・リート市場の展望」と題したマーケットレポートを公開した。

23年はFRBの相次ぐ利上げで秋口にかけ調整も、年末にかけ急反発

23年のグローバル・リート市場は、年初堅調に始まったものの、インフレの高止まりによる米欧の中央銀行の相次ぐ利上げを受けて、長期金利が上昇したことから、2月から10月にかけて大きく調整した。

しかしながら、11月以降は、インフレの鈍化により先行きの利下げ期待が台頭したため反発、年末にかけて相場上昇が加速した。

主要市場の米国市場は、コロナ禍を経たテレワークなどのオフィス外業務の更なる進展によりオフィス需要が停滞するなか、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが続き、米長期金利が一時5%まで上昇したことを嫌気して、秋口にかけて弱含む展開となった。

その後は、インフレ圧力が和らぎ、24年のFRBの利下げ転換観測から長期金利が大きく低下する一方、経済の軟着陸(ソフトランディング)への期待感が高まり、大幅高となった。

欧州市場も米国とほぼ同様の動きとなった。秋口にかけて欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(BOE)の大幅利上げが嫌気されたが、年末にかけては、24年の大幅利下げ観測から大きく買い戻された。

日本市場は、日銀による長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の修正で長期金利が上昇したことに加え、日銀のマイナス金利政策の解除が意識されたため、上値の重い展開となった。

アジア・オセアニア市場は、オーストラリア市場やシンガポール市場が上昇した一方、中国の不動産市場への懸念などから香港市場が大きく下落した。

グローバル・リート市場の23年のリターン(現地通貨ベース)は+11.7%となった。主な内訳は、米国市場が同+13.8%、欧州市場が同+12.0%、アジア・オセアニア市場が同+8.5%、日本市場は同▲0.5%の小幅安だった。

一方、円ベースでみたグローバル・リート市場の23年のリターンは+19.3%となった。主な内訳は、米国市場が同+21.6%、欧州市場が同+25.5%、アジア・オセアニア市場が同+16.9%だった。

各国・地域の中央銀行の利上げにより、日本との金利差が拡大したことを背景に円安が進行したため、為替効果が大きくプラスに寄与した。

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