小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

超低金利時代はいつまで続く?これから住宅ローンを組むなら固定金利かそれとも変動金利か

2024.01.24

住宅ローンの利用について

■検討したい金融機関:大都市圏では「メガバンク」、地方では「メガバンク」「ネット銀行」「地方銀行」が拮抗

住宅ローンを組むのに検討したい金融機関を居住地別で見たところ、関東・近畿では「メガバンク」(65.4%)が最も多く、続いて「ネット銀行」(56.4%)、「地方銀行」は半数を下回った。一方で関東・近畿以外では「ネット銀行」(50.2%)、「メガバンク」(48.6%)、「地方銀行」(48.0%)が2%ほどの差で拮抗した。

■今住宅ローンを組むなら:「固定金利」が67.0%、「変動金利」が22.5%

「変動金利」を選択した割合が22.5%だったのに対し、「固定金利」は約3倍の67.0%となった。住宅金融支援機構の2023年4月調査結果(調査期間:22/10-23/3、※1)では、72.3%が「変動金利を利用」と回答している。

これまでは異次元緩和により、金利が低い水準であった変動金利が人気だったが、ここにきて「固定金利」を検討している人が増加してきているようだ。

※1:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2023年4月調査)」

■何%まで変動金利を組むか?:最多は変動金利が「1.5%まで」、固定金利が「2.5%まで」

「変動金利」の場合、最も多かった回答が「1.5%まで」(29.1%)、その次が「1%まで」(25.7%)となり、この2つで過半数を占めた。

「固定金利」では最も多かった回答が「2.5%まで」(39.7%)、僅差で「3%まで」(36.3%)が続いた。

現状の金利は変動が0.3~0.5%、固定が1.4%~2.0%前半程度なので、大きな上昇は許容できないと考えている人が多く、金利の変動が住宅購入に大きな影響を与えていることがうかがえる結果となった。

<考察>LIFULL HOME’S総研 副所長/チーフアナリスト 中山登志朗(なかやまとしあき)氏

■住宅ローン金利は住宅取得ニーズの1丁目1番地

直近の住宅市場では、ロシアのウクライナ侵攻継続による資材価格の高騰、日米の政策金利差の拡大による円安の進行、コロナ後の住宅需要本格回復などによって、特に都市圏中心部での新築住宅価格の高騰に歯止めが掛からず、東京都心部の新築マンションが平均で1億円を突破するという90年バブルを遥かに超える価格過熱感が発生しています。

この価格上昇を支え続けてきたのが住宅ローン金利です。今から約10年前、日銀の黒田前総裁が当時の安倍政権と協力して始めたのがアベノミクスの第1の矢である“大胆な金融政策”で、これはデフレからの脱却と富の拡大を目的として、ゼロ金利政策に誘導することによって借入金利を限りなく低くし、強く&幅広く投資を促すというものだったのですが、企業向け融資は依然低調で資金需要も伸び悩んだのに対して、住宅投資(購入)についてはこの低金利を追い風として住宅購入が拡大し、ゼロ金利政策の開始当初から住宅ローン金利が下がり続けたことによって、住宅需要を喚起してきました。

この間、国も同調して住宅ローン減税の制度を拡充し、住宅購入することで長期間(10年から13年)の控除が受けられる上に、低金利で返済も比較的容易という状況が当たり前になり、住宅の販売価格も年々上昇して“制度的不動産バブル”の状況を創出したと言えるでしょう。

この状況が2023年5月以降、植田日銀新総裁に変わって変化し、長期金利の1%容認によって連動する住宅ローン固定金利の上昇傾向が顕著になり、さらにマイナス金利に誘導されている短期金利にもテコ入れするとの観測によって同じく連動する変動金利も今後上昇するのではないかとの憶測が広がっています。

今回のアンケート結果を見ても、住宅価格も住宅ローン金利も上昇するとの予想が最も多くそれぞれ過半を占めていますが、住宅ローン金利が固定も変動も明確に上昇することになれば、世帯年収の明確な拡大が発生していない現状では、エリアによって多少違いはあるものの売れ行きは減速し、それに応じて住宅価格も頭打ちから下落する方向に変化するものと考えられます(ただし、住宅性能の適合義務化が始まる2025年4月以降はコストプッシュによる価格上昇の可能性があります)。

これまで景気を下支えし続けてきた住宅市場および関連産業が停滞・縮小することになれば、日本の経済状況は確実に悪化することになりますから、日銀の専権事項とはいえ、これまで長年維持されてきた住宅市場・購入ニーズをシュリンクさせないよう、特に住宅ローン金利に配慮して極めて慎重に金利政策に取り組む必要があります。

<調査概要>
期間:2023年12月14日 ~ 2023年12月18日
調査対象者:5年以内に家を購入する予定があり、住宅ローンを利用予定の人
調査方法:インターネット調査
有効回答数:有効回答数:スクリーニング:5851人、本調査:658人
※小数点第二位を四捨五入しているため、合計が 100%にならない場合がある。

出典元:LIFULL HOME’S

構成/こじへい

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。