観光庁の調査によると、2023年下半期にかけての宿泊旅行者数は、コロナ禍前を上回る伸びを見せ、旅行業界は久しぶりに活況にわいた。
これに合わせ旅客輸送各社は、快適な移動空間を提供する仕掛けを続々と投入している。
「圧倒的個室感」の快適さを追求
例えば、高速バス事業などを展開するWILLER EXPRESS。2006年からシートの自社開発に力を入れており、特に若い女性客の人気が高いことで知られる。
同社が2023年10月より夜行バスに導入したのが、「DOME(ドーム)」と呼ばれる3列シートだ。
夜行バスに導入された「DOME」(写真提供:ともにWILLER EXPRESS)
これは、リクライニングシートの周囲をシェル型のパーティションで区切り、カノピー(フード)で上半身を覆うように展張することで、「圧倒的個室感と快適さ」を実現したもの。カノピーの内側にはスマホホルダーが付いており、夜間走行中の車内は眠りの妨げにならない青色間接照明が灯る仕様となっている。1両につき26席のみ配置した、いわば限定版だ。
当初、東京~名古屋線に導入したが、SNSの総再生回数1300万回を超える注目と人気ぶりで、12月からは東京~大阪線も運行を始めた。こちらは、2024年1月31日出発分まで、席数限定で片道6500円~(2列側席)、7,000円~(独立席)の割引価格で販売されている。