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マイクロソフトがMicrosoft Cloud for Retailを通じてCopilot体験を提供、買い物客の購買行動全体にわたる新たな生成AIとデータソリューションをリリース

2024.01.18

パーソナライズされたショッピング体験を実現、店員のパフォーマンスと生産性も向上

2024年1月14日から1月16日まで開催された世界最大級の小売見本市、Retail’s Big Showを前に、マイクロソフトは小売業向けの新たな生成 AI、データソリューション、機能を発表した。

これらは、パーソナライズされたショッピング体験の実現、店舗スタッフのエンパワーメント、小売データの解放と統合、ブランドがオーディエンスに対してより効果的にアピールする手助けなど、買い物客の旅全体をサポートするものだ。

Azure OpenAI Serviceの新しいCopilot テンプレートを使用することで、小売業者はパーソナライズされたショッピング体験を構築し、店舗運営を支援することができる。

また、Microsoft Fabricの小売向けデータソリューションの導入、Microsoft Dynamics 365 Customer Insightsの新しい Copilot 機能、そして Microsoft Retail Media PlatformのRetail Media Creative Studioの公開により、Microsoft Cloud for Retailは、小売業者が買い物客の旅全体に Copilot体験を取り入れるための多くの選択肢を提供する。

世界中の小売業者は、引き続き、店員の離職率の高さ、オムニチャネルショッピングの持続的拡大、消費者のブランドロイヤリティの低下、未実現の価値を持つサイロ化されたデータの増加といった課題に直面している。

これらの課題に対処するため、小売企業はテクノロジーに目を向けており、AI時代においてはデータに裏打ちされた生成AI ソリューションを活用している。

これにより、パーソナライズされたショッピング体験を実現し、店員のパフォーマンスと生産性を向上させ、インサイトを得ることで最終的に顧客エンゲージメントと満足度を向上させる。

マイクロソフトがIDC に委託した調査によると、小売業者はAIへの投資から 14か月以内にリターンを実現している。1 小売業者はまた、AI への投資 1 ドルあたり平均 3.45 ドルのリターンを得ていた。

AI で記憶に残るパーソナライズされた顧客体験を創造

消費者の 71% が企業からパーソナライズされた対話を期待しており、高度にパーソナライズされた経験を持つ買い物客は、パーソナライズされていない経験を持つ買い物客に比べて、買い物カゴに商品を追加する可能性が約 2 倍高い。

オンラインショッピングでは、商品の発見やカスタマイズされた推奨の提供、買い物のニーズを満たすためのツールが限られていることがあり、理想的な体験を提供できないことがある。

このギャップを埋めるために、Microsoft Cloud for Retail は現在、小売業者がパーソナライズされたショッピング体験を構築できる Copilot テンプレートをプレビューで提供している。

小売業者の現在のシステムとデータを利用し、この事前構築済みのオプションをウェブサイトやアプリなどの既存のデジタル体験に組み込むことで、買い物客は欲しい商品を簡単に見つけて購入できるようになる。

今や買い物客は、オンラインショッピングの利便性を享受しながら、まるで実際の店舗で買い物をしているかのようなパーソナルショッパーが提供する体験を得ることができる。

Copilot テンプレートにより、小売業者は、顧客が自然言語で欲しいものを表現することで、商品を尋ねたり閲覧したりできる、パーソナライズされたショッピング体験を構築することが可能だ。

Azure OpenAI Service を通じて GPT-4 が動作するこのテクノロジーは、文脈を理解して買い物客が店員から受けるような応答を提供する。

例えば、初めてキャンプに行く人が 3 月上旬、ヨセミテ国立公園でのキャンプ旅行に向けて買い物をする場合、スポーツ用品店のウェブサイトを訪れてチャットで「今年 3 月、ヨセミテにキャンプに行きます。今までキャンプをしたことがありません。適切なギアを見つけるのを手伝ってください。」と伝える。

そうすると、買い物客は、必要な持ち物のおすすめを自然言語で受け取ることができる。パーソナライズされたショッピングのための Copilot テンプレートは、顧客が購入する商品の数量や総額を増やし、顧客満足度を高めるために、補完的なアイテムを表示することも可能だ。

「生成 AI は、小売業者にとって重要な差別化要因として機能し、ブランド アイデンティティを体現するユニークで記憶に残る体験を顧客に提供することができます」と、Global Retail, Consumer Goods & Gaming Industries のコーポレート バイス プレジデントであるシェリー・ブランステン (Shelley Bransten)氏は述べている。

「Azure OpenAI Service 上でパーソナライズされたショッピングを実現する新しい Microsoft Cloud for Retail の Copilot テンプレートは、小売業者が Copilot 体験を構築できるようにする方法の 1 つに過ぎません。私たちは、Copilot テンプレートを通じて、小売業者がショッピングの旅全体でコンシェルジュのような体験を広く提供できるよう取り組んでいます。これにより、彼らがよりパーソナライズされたエクスペリエンスを構築し、価値を素早く創出できるよう支援しています」

カナディアン・タイヤ・コーポレーション (CTC) のような革新的な小売企業は、ショッピング体験に Copilot を組み込むことで、ビジネスにさらなる価値をもたらし、顧客とのやり取りをパーソナライズしている。

今春の後半、CTC は Azure OpenAI Service を活用した AI ショッピングアシスタントを開始し、特定の自動車関連製品の購入をサポートする。生成 AI を通じて、買い物客は商品の選択肢をよりよく理解することができ、来店前や来店中の時間を最大限に活用することができるという。

AI ツールで店舗スタッフの生産性、仕事の満足度、顧客体験を向上

店舗スタッフは小売企業の成功に欠かせない存在だが、小売業界は労働力不足という課題に直面し続けている。

テクノロジーは小売業で働く人々に変革をもたらすことができるが、その恩恵を店舗スタッフに届けるのは容易ではない。

マイクロソフトの Work Trend Index によると、小売業の最前線で働く従業員の60%は、デジタルツールが小売業に新たな機会をもたらすことに期待する一方、34%は自分の仕事を効果的に行なうための適切なデジタルツールや技術を持っていないと感じていることhがわかった。

マイクロソフトは、店員やマネージャーが生成AIを利用し、自らの可能性を最大限に引き出し、生産性や仕事への満足度を向上させ、最終的には顧客のショッピング体験を向上させることに取り組んでいる。

Microsoft Cloud for Retail は、現在、Azure OpenAI Service 上で Copilot テンプレートのプレビュー版を提供し、小売業者が店舗運営をサポートするためのソリューションを構築できるよう支援している。

これにより、店員やマネージャーは、業務の流れの中でインサイトや情報にアクセスできる。小売業者のモバイル デバイス、タブレット、または PC でこのテクノロジーにアクセスすることで、店員やマネージャーは自然言語で AI に質問し、店舗の作業手順、商品カタログ、人事ポリシー、福利厚生に関する回答を迅速かつ効率的に得ることが可能だ。

また、音声でタスクを作成し割り当てることで時間を節約し、顧客と商品の情報に素早くアクセスして、店内で質の高い顧客サービスの提供が実現する。

さらに、Copilot テンプレートで構築されたアプリケーションは、従業員や顧客から最も頻繁に寄せられる質問に対するインサイトを店舗リーダーに提供し、トレーニングや手順、ガイドラインの更新など、有効な対策を講じるのに役立つ。

Microsoft Experience Centers は、ニューヨーク、シドニー、ロンドンに実店舗を構え、買い物客がマイクロソフトの製品を体験し、購入できる場所だ。

これらのエクスペリエンスセンターは、店舗スタッフ向けに Copilot テンプレートを実装する最初の小売企業の一つとなる。この技術により、店舗スタッフは貴重なインサイトを得て、買い物客が商品を見たり、デモを見たり、マイクロソフトの技術について学んだりする際に、そのエクスペリエンスをさらに向上させることができる。

小売データの統合と AI 活用でインサイトを引き出す

小売業界では、毎時40ペタバイトのデータが生成されている。これは2時間の映画800万本分に相当し、これを一気に視聴するには約1500年かかる。

さらに驚くべきことに、データがサイロ化されたままであるため、ほとんどの小売業者はそのデータの一部しか活用できず、自社と顧客に不完全なインサイトを提供している。

データから実用的なインサイトを引き出し、AI を最大限に活用するには、異なるシステムとアプリケーション間でシームレスな統合と標準化されたデータが必要だ。

マイクロソフトは1月11日に Microsoft Fabric での新しい小売向けデータソリューションのプレビュー版を発表した。

これは、組織がデータの潜在能力を引き出し、AI 時代の基盤を築くために必要なすべてのデータと分析ツールを統合する、エンドツーエンドの統合分析プラットフォームだ。

■Microsoft Fabric は小売企業に以下の要素を提供

・データソリューションを計画、設計、構築するためのデータモデル。この小売業界のデータモデル (一般に利用可能) は、データ ガバナンス、レポーティング、ビジネス インテリジェンス、高度な分析に活用できる。

・小売業者の e コマース データを Sitecore OrderCloud (プレビュー) から Microsoft Fabric にリアルタイムで取り込むデータ コネクタ。この統一された視点の下で、小売業者は、インサイトとツールにアクセスし、店頭からフルフィルメントまでのすべての接点で顧客満足度とビジネス運営を積極的に改善することができる。

・頻繁に一緒に購入される商品 (プレビュー) などの分析テンプレート。これは、小売業者が商品のアップセルと棚の最適化を改善するのに役立つ、実用的でデータ駆動型の推奨事項を提供する。

Microsoft Fabric の小売向けデータソリューションにより、企業は小売に特化したデータモデルの実装を加速させ、データを統合し、それを予測的なインサイトに変換することができる。

これにより、顧客エンゲージメントと買い物客のエクスペリエンスを向上させることが可能となる。

■生成AIを導入し、小売業者やブランドのマーケティングキャンペーンとリテールメディアでの広告キャンペーンを成功に導く

マイクロソフトは、マーケティング担当者がエンドツーエンドのプロジェクトやキャンペーンを構築できる Dynamics 365 Customer Insights の新しい Copilot 機能を発表した。

この新機能により、マーケティングチームは、自分の言葉で望む結果を入力したり、既存のクリエイティブブリーフをアップロードするだけでプロジェクトを開始する、AI ファーストの体験を得ることができる。

Copilot が一元化されたプロジェクトボードを生成することで、マーケティング担当者は、キャンペーンの進捗状況を一箇所で管理し、更新することに対応。

さらに、AI が推奨するコンテンツを簡単に取得し、必要に応じて変更することも可能だ。これにより、サイロ化されたアプリケーションが不要になり、時間が節約される。

また、顧客はTypeface とそのエンタープライズグレードの生成 AI 機能を利用して、アセット全体でブランドに忠実な画像を生成し、パーソナライズされたコンテンツをより効果的にすることができる。

これらすべてが Dynamics 365 Customer Insights 内から実行できる。さらに、Typeface は、テーマ、フォント、製品画像などのコンテンツを組織のブランドキットに整合させるサポートを行なう。

それぞれの要素は、中央のアセットライブラリから抽出される。これらの Dynamics 365 Customer Insights の Copilot新機能は、2024年第 1 四半期に早期アクセスのパブリック プレビューで利用可能となる予定だ。

さらにマイクロソフトは、Microsoft Retail Mediaプラットフォーム (PromoteIQ 搭載) に生成AIを導入し、Retail Media Creative Studio を立ち上げた。

これは、リテールメディア向けに特別にカスタマイズされた包括的なエンド ツー エンドのバナー広告クリエイティブソリューションで、2024 年 1 月からプレビューを開始。

Retail Media Creative Studio を利用することで、小売企業は生成 AI を活用し、広告主のためにバナークリエイティブを素早く自動生成し、編集することができる。

その後、小売企業は、自社のデジタル資産やオープンウェブなど、複数のリテールメディア チャネルでの使用に対して検討し、承認することが可能。

このソリューションは、AIを搭載したアルゴリズムを使用してバナーキャンペーンのパフォーマンスを最適化し、よりパーソナライズされたショッピング体験を提供する。

Retail Media Creative Studio は、小売企業や広告主に創造性、生産性、収益の機会を提供し、リテールメディア ビジネスの成長を加速させる。

さまざまな業界において、マイクロソフトは、Microsoft Cloud を特定のニーズに合わせ、エコシステムを構築するために独自の資産を開発している。

小売業者は Microsoft Cloud を通じて、買い物客の旅に Copilot 体験を組み込む際、カスタマイズされたアプローチを取ることができる。信頼とマイクロソフトの Responsible AI 原則を基盤に、小売業者は、安全かつ安心して、有意義なショッピング体験を顧客に提供。そして、リピーターを忠実なファンに変える卓越したサービス力を従業員一人ひとりに与えることができる。

※本ページのすべての内容は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。正式な社内承認や各社との契約締結が必要な場合は、それまでは確定されるものではありません。また、様々な事由・背景により、一部または全部が変更、キャンセル、実現困難となる場合があります。

関連情報
https://news.microsoft.com/ja-jp/2024/01/16/240116-microsoft-unveils-new-generative-ai-and-data-solutions-across-the-shopper-journey-offering-copilot-experiences-through-microsoft-cloud-for-retail/

構成/清水眞希

 

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