マイナンバーカードに対しては賛否両論ある。ただ、このカードがあることでショートカットできる手続きは複数存在する。
たとえばそれは、新NISAの口座開設手続きにも当てはまる。
全くの偶然だが、新NISAのスタートは「マイナンバーカード以後」になった。これにかかる手続きの簡単さは、旧NISAのスタート当時(2014年)に比べれば「一目瞭然」と言えるほどだ。
もはや紙もペンも、そして印鑑もいらない。
「ハンコのない近未来」が現実に
少し前まで「日本のハンコ文化」に対する議論があった。
この文化には筆者自身も悩まされたことがある。小学館ではないが、とある出版社に記事報酬の請求書を送る際、必ず捺印を求められていた。請求書は紙に出力して郵送する。しかも、筆者が日本ではなく海外にいる時も同様の措置だった。
これは10年前の話ではあるが、そういうことが個人事業主には付きまとっていたからこそ、筆者の他にも「ハンコのない近未来を」と主張するライターが数多くいた。
それは旧NISA口座の新規開設においてもほぼ同様だった。印鑑が必要である以上、最初から最後までオンライン手続きのみで口座を開設できる……とはいかなかった。どこかで必ず紙と封筒が必要だったのだ。
2024年の今では、事情が大きく変わった。まず、銀行口座の開設に必ずしも印鑑は必要なくなった(ただし捺印を求める口座・金融機関は今も存在する)。
それと入れ替わるように個人番号(マイナンバー)が求められるようになったが、実はそのあたりもマイナンバーカードが解決してくれる。
マイナンバーカード1枚で口座開設
現在、多くの金融機関では口座の新規開設手続きで「写真付身分証明書」と「マイナンバー通知カードor個人番号が記載されている住民票の写し」の2点を要求する。
写真付身分証明書とは、もちろん運転免許証やパスポートも含まれる。しかしマイナンバーカードだけは別格扱いで、これがあれば当然ながら個人番号を証明することもできる。
即ち、上記の「マイナンバー通知カードor個人番号が記載されている住民票の写し」を省くことができるのだ。
金融機関によっては「マイナンバーカードがあれば写真付身分証明書は不要」という表現を使ったりもするが、ともかく本人確認書類を一本化できるというのはありがたい。