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温泉に潜む藻のエキスが養殖業の未来を変えるか?「温藻ひらめ」に秘められた可能性

2024.01.31

温藻(おんも)ひらめ

 古くから日本人の心と体を癒してきた温泉は、ミネラルなど様々な成分を含む。そんな温泉内に生息する微生物に着目し、ヒラメの養殖に活用した企業がある。別府温泉を擁する大分県「SARABiO温泉微生物研究所」だ。代表取締役会長の濱田茂さんによると、温泉由来の藻類から抽出した『温泉藻類RG92』をヒラメの餌に混ぜて与えたところ、従来40%程度だったへい死(※)率が15%程度にまで激減したという。

「免疫力が低く陸上養殖が難しいうえ、ここ10年の水質変化でへい死率が悪化し、養殖業者も残りわずか。相談を受けRG92を試したところ、劇的に改善しました」

 開発した『温藻ひらめ』は4月から出荷を始め、「肉質も向上し、評判は上々」。さらに餌に加える抗生剤が減り、排水の水質が改善され、周辺水域の環境保全も期待できるそうだ。

 現在、魚だけでなく畜産業へも展開中だと濱田さんは語る。

「子豚や子牛に多い下痢が、RG92投与によりなくなりました。健康かつ経済的な畜産が可能になるかもしれません」

 温泉に潜む、小さな微生物が、未来の養殖・畜産業を大きく変えるかもしれない。

『温藻ひらめ』の立役者『温泉藻類RG92』は、畜産に応用できるうえ、環境にも生体にもやさしい。いずれ機能性表示食品などの形で、人間の健康にも貢献できるかもしれない。

※病気などの要因で突然死すること。

『温泉藻類RG92』RG92は2011年に発見され、15年には特許を取得し、高速培養にも成功している。『温藻ひらめ』は肉厚なうえ、旨味成分のイノシン酸を豊富に含む。

温藻ありなしでヒラメ体重(140日間)の差は85g!

温藻ありなしでヒラメ体重(140日間)の差は85g!RG92を投与したヒラメは飼育開始4か月までへい死個体はゼロ。最終的に通常餌のみの個体に比べてへい死率が半減したのに加え、体重も28%程度増加した。

取材・文/桑元康平

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