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【CES2024】インテルがAIで効率的なEVのエネルギー管理を実現するSilicon Mobility SASを買収

2024.01.18

インテルは、米国ネバダ州ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー・イベント「CES 2024」にて、あらゆる場所でのAI導入を目指す「AI Everywhere」の実現の一環として、インテリジェントなEVのエネルギー管理用SoCに特化したファブレス半導体/ソフトウェア企業のSilicon Mobility SASの買収を含む自動車分野でのAIの取り組みを紹介した。

AIで効率的な電気自動車(EV)のエネルギー管理を実現するSilicon Mobility SASを買収

同社は、「CES 2024」において、高度なEV向けエネルギー管理やソフトウェア・デファインド・ビークル向けにAIを強化した新しいSoCを提供するSilicon Mobility SASの買収合意を発表。

また、AI対応のSDV向けシステム・オン・チップ(SoC)の新しい製品群を発表するとともに、EVメーカーのZEEKRが、この新しいSDV SoCを採用し、生成AI機能が強化された快適なリビングルーム体験を次世代の車両に向けて実現することなども明らかにした。

■よりサステナブルな電動化の未来の実現に向け、Silicon Mobility SASを買収

Cipio PartnersとCapital-Eのポートフォリオ企業であるSilicon Mobility SASは、EVエネルギー管理SoCの設計、開発、実装を行なう自動車に特化したファブレス半導体/ソフトウェア企業。同社のSoCは、エネルギー供給に特化した業界最高水準のアクセラレーターと、車両のエネルギー効率を大幅に向上させる共同設計による高度なソフトウェア・アルゴリズムが特徴だ。

Silicon Mobility SASが有する技術は、高性能なコンピューティングからインテリジェントでプログラマブルなパワー・デバイスにわたり、インテルの車載ソリューションのラインナップを拡大する。なお、この買収には、関係各所による承認が必要となる。

■AI PC体験を自動車で実現するインテルのオープン・プラットフォーム

AI対応の新しいSDV向けSoC製品ファミリーは、自動車メーカーに必須とされる拡張性のあるパワーとパフォーマンスを提供する。このSoC製品は、インテルのAI PCロードマップにあるAIアクセラレーション機能を特徴とし、運転者と同乗者のモニタリングなど、車両での斬新なAIユースケースを実現する。

インテルは、生成AI、電子ミラー、HD画質のビデオ会議通話、PCゲームなど12のワークロードのデモを複数OSで同時実行されるクリティカルなユースケースを含めて行ない、デモを通じて、自動車メーカーが、独自のカスタム・ソリューションとAIアプリケーションを統合させながら、従来の電子制御ユニット(ECU)アーキテクチャーを統合し、効率性、管理性、拡張性を向上させる手法を紹介した。

■インテルの生成AI体験を次世代EVで実現するZEEKR

GeelyのZEEKRは、インテルの新しいSDV SoCファミリーを採用する最初の自動車メーカーになる。Geely Holding Group 社長 兼 ZEEKR Intelligent Technology CEOのアンディー・アン(Andy An)氏が、インテル システム上のAIアクセラレーション機能と前方互換性の組み合わせにより、ZEEKRはサービスの拡張性とアップグレードを継続的に実現でき、生成AIを利用した音声アシスタントなど、ユーザーが求める次世代の体験を創出できると説明した。

■業界の成功のカギを握るオープン・スタンダード

インテルと自動車技術の標準化団体のSAE Internationalは、EVならびにサステナブルなSDVへの移行をより迅速かつ円滑に進めるため、車両プラットフォーム・パワー・マネージメントの車両規格(J3311)を策定する委員会を設立すると発表した。委員会の議長はインテルが務める。

この新しいSAE標準規格は、PC業界で実績のあるAdvanced Configuration and Power Interface(ACPI)規格の電力管理技術に着想を得ており、PC業界で実証された先進的な電力管理コンセプトの採用・強化により、策定を加速化し、あらゆるEVの電力効率とサステナビリティーの向上を支援する。

この標準化委員会には、地図アプリと位置情報サービスのHERE Technologiesや車載電源ソリューションのMonolithic Power Solutions(MPS)など業界を代表する企業が参画。委員会では、今後12~18カ月内の規格原案策定を目標とし、業界各社のオープンな参加を求めている。

■オープンな車載チップレット・プラットフォームへの注力

インテルは、世界トップクラスの研究開発機関のimecとの協業を通じて、インテルの最先端チップレット・パッケージング技術を自動車ユースケースに必要とされる厳しい品質および信頼性要件に確実に対応させると発表した。

この取り組みは、サードパーティーのチップレットをインテルの車載製品に組み込み可能にする初の車載サプライヤーになるとの姿勢を示す。これにより、自動車メーカーは、フルカスタムのSoCの数分の一のコストでインテルのロードマップ製品にカスタム・チップレットを組み込める自由度と選択肢を得られる。

関連情報
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/homepage.html

構成/立原尚子

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