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2024年はMVNO躍進の年になる?電気通信事業法改正でスマホ市場はどう変わるのか

2024.01.19

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は、電気通信事業法の改正によるIIJ(IIJmio)とオプテージ(mineo)の今後と、2024年のMVNOの動向について会議します。

MVNOに追い風が吹いている

石川氏:2023年12月27日に、電気通信事業法で定められたIIJとオプテージの規制が外れました。今までは利用者の数の割合が0.7%で100万契約を超えるMVNOが規制の対象だったものが、4%、約500万契約に相当するMVNOが規制の対象になるので、割引がしやすくなります。これまでもIIJは、大胆な端末割引などの施策を行ってきましたが、さらに加速する可能性があります。

各キャリアは経済圏勝負になってきていて、金融商品と絡めたサービスが増えてきたことから、プランの料金がわかりにくくなってきている。一方でMVNOはシンプルを突き詰めているので、刺さるユーザーはいそうです。各社値上げの流れがありますが、MVNOに関しては接続料が下がり続けているので、まだまだ低料金で勝負できるはず。2024年はMVNOの躍進が期待できるかもしれません。

石野氏:端末割引に期待するといっても、もともとの料金設定が安いので、原資がたくさんあるわけではない。かつてのキャリアのように、数十万円もキャッシュバックといったことはできないし、複雑なルールがなくなることで、割引はしやすくはなります。あと、事業法の規制から外れると、長期割引ができるようになります。これでユーザーを囲い込む施策ができるのが面白い。

石川氏:IIJやオプテージに加えて、イオンなども絡んでくると、競争が進んで面白いですね。

石野氏:今まで抑え込まれていた、IIJmioとmineoが解き放たれるような感じです。

石川氏:あと、IIJは法人が強いので、法人で儲けて、個人は勝負をかける、そんな戦い方もできます。

房野氏:ただ、IIJもオプテージも、違約金を取れるようになりますよね。

石野氏:違約金を取れるようにはなりますが、取らないんじゃないですかね。ただし、端末の大幅な割引と違約金をセットにすることで、持ち逃げされなくなるので、割引しやすくなります。自由度が上がるというか、割引額だけじゃないオプションがいろいろ考えられるようになるので、MVNOは面白くなるかも。料金も、例えば、日本通信から30GBで2000円程度のものが出てきているので、ahamoよりもう一段安い料金プランが選べるようになっています。

月額基本料金が2178円で、ひと月30GB使える、日本通信「合理的30GBプラン」

法林氏:MVNOも単価を上げていかないと厳しいからね。稼ぐため中容量、大容量プランを展開していかないといけないけれど、そこに市場があるのかが問題。一定数の需要はあると思いますが、今になってみれば、ahamoが強すぎて対抗しにくい。海外ローミングが圧倒的だからね。

房野氏:海外に行くと、ドコモのahamoの価値がわかりますよね。

月額基本料金2970円で、ひと月20GB使える、ドコモ「ahamo」

石野氏:僕はドコモのirumoを3GBプランにしていますが、0.5GBプランで月額基本料金を550円にして回線を維持しておきつつ、海外に行く時だけahamoにしてもいいかなと思っています。

月額基本料金550円で、ひと月0.5GB使える、ドコモ「irumo 0.5GBプラン」

石川氏:そうだね。MVNOに追い風は吹いているけれど、一方で、キャリア内の乗り換えが簡単になってきているのも事実。ドコモは料金プランの切り替えだけだし、ソフトバンクからワイモバイルといった乗り換えも簡単。My Softbank上でワイモバイルの管理だってできますから、MVNOもうかうかしてはいられないですね。

法林氏:それに引き換え、楽天モバイルはMVNO時代のユーザーを巻き取らない。ワンストップとか言って手続きの簡便さを訴求していますが、MNPの予約番号の有効期限は15日しかないのに、10日分くらい残っていないと使えないとか、制限をかけてくる意味がわからない。そこに総務省が手を入れていない方がおかしいよね。

房野氏:そもそも、なんで残り日数に余裕がないといけないんですか?

法林氏:回線開通までに、この人が乗り換えますというのを、キャリア間でやり取りしないといけない。そこに時間がかかるらしい。

房野氏:SIMを発送するにも、時間がかかるものですか。

法林氏:もちろん発送するために、時間はかかる。東京なら1日とか2日だけれど、遠方ではどうしても時間がかかります。

石野氏:そのバッファとして、残り期間が設定されているということですね。

法林氏:そうだね。でも、本来は期間を延ばす仕組みを先に作らないといけない。役人が仕事をしていないのが悪い。

楽天モバイルは、MVNOユーザーを巻き取りしなかったのは、やっぱり問題です。200万回線あったMVNOの契約を40万まで減らしたのは偉いですが、そのうちの何人が楽天モバイルに移動したのかはわからない。0円という料金設定に飛びついたユーザーも、最低料金ができて移動しているかもしれません。

石野氏:ただ、MVNOからの巻き取りって難しいんだろうなとは思いますね。ドコモも、OCNモバイルONEから全然巻き取れていません。

石川氏:巻き取るのにもコストはかかりますからね。それを考えたら、そのまま放置しておきたいのかもしれない。

法林氏:それを本当は総務省で議論しないといけない。MNOが他社回線のMVNOを持っていいのかという話です。

石野氏:ドコモがNTTレゾナントを完全子会社化する時にも、他社から「競争を阻害する」という批判がありましたが、しれっと取り込んでしまった。結局、OCNユーザーが本当にirumoに移っているのかというと微妙で、支払う料金も上がるし、0.5GBプランだと速度も遅くなる。ドコモからの移行に対するサービスもないので、自分も今のところ契約中のOCN回線はそのまま使い続けようと思ってしまいますが、こう考える人が多いのは、本来はよくない。

法林氏:やっぱり、MNOがMVNOを持つ会社を買収する場合、一定のルールを設けないといけないけれど、そこに手が加えられていない。BIGLOBEはKDDI傘下になった後、「ドコモ回線からauに切り替えませんか? というキャンペーンをやっていましたね。

今、MVNOで3キャリアの回線を選べるところって少ないよね。NUROモバイルとmineoくらいかな。今のMVNOのプランって、料金以外の特徴があまりないのがつまらない。僕は楽天モバイルのMVNO回線をイオンモバイルの60歳以上プランに変えようとしたけれど、電話番号を間違えて入力して、できなかった(笑)

石野氏:自分の電話番号を間違える人は、少ないですけどね(笑)

法林氏:そう。それは僕が悪いんだけど、いきなりキャンセルされて、何がいけなかったのかがまったくわからない。問い合わせをしても全然、教えてくれなくて……。その割には端末だけ送られてきたんですよ。それってひどくない? 回線とのセット販売だけれど、回線が開通していなくても、端末は決済しているから、端末だけ送ったっていう……

石野氏:分離プランですから(笑)

石川氏:完全分離ですね(笑)

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