小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

自民党が提言する「NTT法廃止」は実現するのか?KDDI、ソフトバンク、楽天が憤慨する本当の理由

2024.01.18

NTT法の行方、落とし所は?

房野氏:今後のスケジュールはどのような感じですか?

石川氏:総務省の審議会で話し合ったりする。でも、研究成果の開示義務の撤廃などは、2024年の通常国会で決めちゃいたい、そんな感じだと思います。

法林氏:2024年に決まっちゃうよね。

石川氏:NTT法を廃止するかしないかは2025年を目処にということで、なんとなくスケジュール感は出ているけど、肝心の自民党がどうなっているか、わからない。

房野氏:NTT法が完全に廃止されるのは最速で2025年だと。

法林氏:でも、さすがに完全廃止となると、相当揉めると思う。

房野氏:落とし所はどの辺りになると思いますか?

法林氏:研究成果の開示義務は撤廃されるけど、たぶん、NTT法そのものはおそらく、そのまま維持される。自民党がゴタゴタしているから、プロジェクトチームの関係者がいなくなる可能性もあるので、たぶん、研究成果の開示義務を撤廃するなど、一部の修正のみで、NTT法は維持されるんじゃないかな。

ただし、ユニバーサルサービスの対象は見直されると思う。今、規定されているのはメタルケーブルの固定電話だけど、IP電話、050とか光電話も含めた仕組みの電話サービスを提供することになると思う。過疎地はモバイルネットワークを使った電話サービス、例えばドコモの「homeでんわ」のようなサービスでカバーする。homeでんわの端末には、ドコモの4G端末が入っているけれど、利用中の固定電話番号をそのまま使えるサービスなんだけど、他社も同様のサービスを提供している。もし、ある事業者のネットワークで障害が発生したら、他社に自動的にローミングするようにして、同じ固定電話番号になるみたいな仕組みは、もしかしたら導入されるかもしれない。でも、相当長いスパンでの議論が必要になると思う。

あとは、いわゆるブロードバンドをどうするか。昔はADSLの2Mbpsでもブロードバンドと言われていたし、今はモバイルの方が速いけれど、それをどうするか。A社には容量制限があるけれど、B社には制限がない時にどうするのか、みたいな話も含めて。

東京に居るとあまり感じませんが、瀬戸内海の小さな島や沖縄などの離島で通信ネットワークを構築するのは本当に大変。マイクロ波でやるとなったらアンテナは誰が保守するのか、光ファイバーを通すならどこがやるのかといった話も含めて、非常に大変だと思います。大都市圏だけを見ているとあまり感じないけれど、保守も含めると、サービスを維持するのはそんなに生易しい話ではない。そこら辺も含めて、最終的に、広くあまねく通信サービスを提供する範囲は、3社、4社で面倒見ましょうねってことになるのが、落としどころの本当のところじゃないですか。たぶん、そういうシナリオだと僕は思っています。

房野氏:みなさんはどう思いますか?

石川氏・石野氏:異議なし!

……続く!

次回は、MVNOの2024年動向について会議する予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/房野麻子

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。