マーケティングリサーチ事業を展開するクロス・マーケティングは、新型コロナウイルスが消費者の行動や意識に与える影響の把握を目的として、「新型コロナウイルス生活影響度調査」を2020年3月より定期的に実施している。
今回は5類感染症移行後に行動制限のない年末を迎えた2023年12月22日~24日に調査を行ない、人々の意識・行動について分析した。
支出項目:「国内旅行」と「推し活」が上昇
直近1か月間の支出は、「グルメ・お酒」「美容」「読書・漫画」がTOP3となった。2023年3月よりやや上昇したものは「国内旅行」とイベント参加やグッズ購入などの「推し活」だった。<図1>
1年前と比較し”支出が増えた”項目は「食生活」「光熱費」「育児・子供の教育」「交通費」が30%台と上位。「光熱費」は2023年3月よりは落ち着いてきている様子が見える。
一方、「旅行・レジャー・イベント費」「人との付き合い」に関わる支出は、2022年9月より2倍以上の値となり、外出行動や人との交流への支出が堅調に回復していることがわかる。<図2>
■ふるさと納税:リピーター率は89%と高い水準
2023年にふるさと納税制度を利用した人が選んだ返礼品は、「お肉」「鮮魚・海産物」「米・パン」が多い。「お肉」「飲料類・お菓子」は男性で、「果物類」は女性での人気が高いようだ。<図3>
今後のふるさと納税利用意向は全体で37%。特に2023年の利用経験者では89%と極めて高い意向があり、制度を利用したことをきっかけとしてリピーターとなっている様子が推察できる。<図4>
能登半島地震の災害があったことから、今後は、返礼品を受け取らないふるさと納税制度の利用者が増えることも考えられる。
■投資:投資の利用意向は全体で41%に
投資の利用意向は全体で41%、男性は47%と高い。投資意向者が活用・購入したい商品やサービスは「NISA・積立NISA・新NISA」が5割を超え、「国内株式」「投資信託・積立」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」と続く。
女性において「NISA・積立NISA・新NISA」のみ、活用・購入意向が男性より高い。<図5>
■新型コロナウイルスに対する不安、ストレス度は10月と大差なし
定点指標の「直近1週間の不安度」は微増の30%、「将来に対する不安度」も微増の40%。「直近1週間のストレス度」は横ばいの48%であり、不安度、ストレス度ともに10月の結果と大きな変わりはなかった。<図6>
マスクを着用すべきシーンは、感染症が流行る時期でもあり、「娯楽施設」「勤務先」「学校の校内」などでのマスク着用意識が増加に転じた。<図7>
調査概要
調査手法/インターネットリサーチ
調査地域 /全国47都道府県
調査対象 /20~69歳の男女
調査期間 /2023年12月22日(金)~12月24日(日)
有効回答数 /本調査2500サンプル
関連情報
https://www.cross-m.co.jp/report/health/20240111corona/
構成/清水眞希