250万台以上のダイソンの空気清浄機によって収集されたデータから室内の空気質を分析
ダイソンは世界31か国を対象とした同社初の空気質調査「Global Connected Air Quality Data Project」を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
このプロジェクトは、2022年から2023年にかけて250万台以上のダイソンの空気清浄機によって収集されたデータをもとに室内空気質の環境を分析。世界中の実際の家庭における空気質を汚染物質をガスと粒子状物質に分け、日、月、季節、年単位で分析することで、これまでにない粒度で可視化している。
今回のプロジェクトを行った国と都市のジオグラフィー
ダイソンの空気清浄カテゴリー エンジニアリングディレクター、マット・ジェニングス氏は、次のように述べている。
「ダイソンのコネクテッド エアクオリティ データは、世界中の家庭における室内空気汚染の現実的な問題を把握することを可能にします。これにより、ダイソンの空気清浄機が実際の環境においてどのような課題に直面しているのかを直接理解することができ、その課題に取り組むために、より優れた空気清浄機を開発するための知識を得ることができます。このデータは、MyDysonアプリを通じてリアルタイムや月次レポートがシェアされ、ダイソンオーナーの皆様の空気環境に対する理解を深めるために活用されています」
ユニバーシティ カレッジ ロンドンの集中治療医学長であり、ダイソンのサイエンティフィック アドバイザリー ボードの議長を務めるヒュー ・モンゴメリー教授も次のように話す。
「大気汚染といえば、屋外や道路脇の問題だと誰もが思っています。屋内の大気汚染に関する研究は増えつつありますが、まだ発展途上です。ダイソンの調査結果は、世界中の家庭における実際の空気の汚染レベルを知る貴重なインサイトを与えてくれ、日ごと、月ごと、季節ごとの汚染パターンを理解するために役立ちます。ダイソンのデータは、非常に強力な教育ツールであり、私たちの身の回りの汚染状況を理解することは、汚染にさらされる機会を減らす第一歩なのです」
2022年のグローバルの空気質の傾向を表すグラフ
屋内と屋外のPM2.5レベルの比較:屋内の空気の質が屋外よりも悪い傾向
<国別の年間平均>
上位10都市は中国、オーストリア、スペイン、シンガポール、オーストラリア、カナダ、ドイツ、ルーマニア、英国、フランス、マレーシア。調査対象の31か国のうち19か国では、PM2.5レベルの年間平均が屋外より屋内の方が高いという結果になった。
<国別の月間平均>
月別で見ると、調査対象のうち4か国を除く27か国すべての国で、屋内のPM2.5レベルが屋外を6か月以上超えており、その中には、11か月間、屋内のPM2.5レベルが屋外を上回ったイギリスとドイツ、12か月間毎月屋内が屋外を上回った中国、オーストラリア、フランス、オーストリア、カナダ、スペインが含まれる。
インド、ノルウェー、ポーランド、フィンランドの家庭だけが、PM2.5レベルが屋外レベルを下回っていた(2022年に6か月未満)。
日本では2022年の8か月間、屋内のPM2.5レベルが屋外の月平均を上回った。
<都市別の年間平均>
都市レベルで見ると、ミラノの家庭の屋内のPM2.5の年間平均は屋外の2.5倍以上であり、これは調査したどの都市よりも高い数値である。
ミラノに次いで、深圳、アムステルダム、ソウル、マドリード、メルボルン、ウィーン、シンガポール、ニューヨーク、東京。調査した34都市のうち20都市で、PM2.5レベルの年間平均が屋外より屋内の方が高いという結果が得られた。
<都市別の月間平均>
また月別では、以下の8都市で1年間すべての月で屋内のPM2.5レベルが屋外より高いという結果が出た。
→深圳、ニューヨーク、メルボルン、ミラノ、ローマ、ソウル、ウィーン、アムステルダム
日本では約80%の人々が室内の空気はきれいだと考えているが(※)、東京では2022年のうち10か月間、屋内PM2.5のレベルが屋外を上回った。
※ 空気清浄機に関するU&A調査に基づく。日本在住の消費者4000人を対象に2022年4月25日から4月27日にかけて実施。
屋内と屋外のPM2.5レベル年間平均の比較上位10都市