原材料価格の高騰や円安の長期化により、光熱費や食費、交通通信費など、あらゆる分野で価格上昇の波が続いている。首都圏のファミリー向き賃貸物件の掲載賃料も、2022年から上昇傾向が続くなか(※1)、生活費の大半を占める住居費を少しでも抑えたいと考える人は多いことだろう。
そこで「予算内でできるだけ住み心地のいい駅を選びたい」という二人暮らし・ファミリー層に向けて、LIFULL HOME’Sの街の情報メディア「LIFE LIST」はこのほど、家賃相場別に、実際にその街に暮らす人の「住民満足度(※2)」が高い駅をランキング化した「家賃帯別“住民満足度”が高い駅ランキング(東京・二人暮らし / ファミリー編)」を発表した。
30代の平均世帯所得627万円(※3)から手取り額を80%と換算し、そのうち25%を家賃に充てた場合、10.45万円となることから、家賃相場が10万円以上11万円未満の駅「10万円台」を対象としたランキングを軸に、上下予算帯として「9万円台」「11万円台」のランキングを作成した。
※1:2023年11月期 LIFULL HOME’Sマーケットレポートより
※2:LIFULL HOME’S「まちむすび」各駅の住民口コミより
※3:厚生労働省 2022年度 国民生活基礎調査の概況より
家賃10万円台の1位は「浜田山駅」!2位以下は「武蔵小山駅」「用賀駅」など東急沿線の駅が多数ランクイン
家賃10万円台は、1位「浜田山駅(杉並区)」、2位「武蔵小山駅(品川区)」、3位「用賀駅(世田谷区)」となった。2位以下のトップ10には東急目黒線、東急田園都市線、東急大井町線、東急池上線と、グループ全体でまちづくりを手がける東急沿線の各駅が名を連ねている。
1位の「浜田山駅」は、交通利便性の高い杉並区に位置しながら自然が豊かで、駅周辺には低層の住宅が立ち並ぶ閑静な住宅街で知られている。まちむすびの住民口コミによれば、「交通の利便性」「治安の良さ」のスコアが4.4と高い評価を受けており、「都心へのアクセスが楽、病院やスーパーなどがある程度充実しているなど、とにかく生活しやすい」「治安がよく、新宿、渋谷、吉祥寺などへのアクセスもよい」といった生活環境の充実と交通利便性の高さを挙げる声が多く寄せられている。
2位の品川区、目黒区にまたぐように位置する「武蔵小山駅」、3位の砧公園や馬事公苑など緑豊かな環境が魅力の「用賀駅」も、子育て世帯に人気の街として知られており、住民満足度も各項目がバランスよく高い数値となっている。
家賃9万円台の1位は「多摩川駅」!「西永福駅」「永福町駅」が続き、京王井の頭線の各駅が上位に
家賃9万円台のランキングは、1位「多摩川駅(大田区)」、2位「西永福駅(杉並区)」、3位「永福町(杉並区)」と、城南エリア、城西エリアが上位となった。京王井の頭線からは、2位の「西永福駅」、3位の「永福町駅」に加え、6位には「高井戸駅(杉並区」)がランクイン、家賃10万円台のランキングでも1位となった「浜田山駅」も含め、京王井の頭線の複数駅が上位に名を連ねており、住み心地のよさがうかがえる。
1位の「多摩川駅」は、東急東横線、東急目黒線、東急多摩川線の3路線が乗り入れており、渋谷駅まで約20分、新宿駅まで約30分でアクセスできる交通利便性の高い街だ。
まちむすびの口コミでは、「子育てしやすくファミリーも多いし、施設も多い」「ここで生まれて愛着があることと歴史のある街並みや町名。とにかく環境が良い」「交通の便が良くて商店も充実している。それでも住宅街は静か」などの声があり、ファミリーが住みやすい住環境であるといえるだろう。
5位にランクインした「葛西臨海公園駅」は、2028年にかけて葛西臨海水族園の大規模なリニューアルが予定されている。「自然の多さ」が4.1と評価されている通り、緑豊かな環境で暮らしたい人にとっておすすめの駅といえそうだ。