家族の一員であるペット。医療や食べ物の充実により年々ペットを取り巻く環境が良くなってきてはいるが、言葉を話せないどうぶつの健康状態を正確に知るのは難しいもの。
そこでアニコム ホールディングスは、今年もどうぶつの疾患統計などをまとめた『家庭どうぶつ白書 2023』を公開したので、最新のペット事情の注目ポイントをピックアップして紹介しよう。
犬・猫ともに平均寿命がさらに延伸!平均年間診療費は、1歳時と比べ15歳で犬は4.7倍・猫は4.5倍に
犬と猫の平均寿命を調査した結果、犬は14.2歳、猫は14.7歳であった。いずれも過去最長(同社が調査を開始した2008年以降のデータによる)であった昨年の調査からさらに延び、特に猫は昨年と比べて+0.3歳と、過去10年のうちで最も延びている。
※:2008年4月1日~2022年3月31日までに、アニコム損保のペット保険の契約を開始した犬および猫を対象に、年度ごとに各年齢での契約頭数と、それらのうち死亡解約の届け出があった頭数を集計し、カレント生命表を作成。0歳時点での平均余命を平均寿命とした。
前述のような長寿化をふまえ、今回の『家庭どうぶつ白書2023』では、高齢どうぶつのデータをより充実させている。
たとえば犬と猫の平均年間診療費における年齢推移を調査したところ、15歳の平均年間診療費は、最も低い1歳の平均年間診療費に比べ、犬は4.7倍・猫は4.5倍に増加していることが分かった。
診療費に関するデータの他にも、高齢犬・猫に多い疾患や、犬と猫の死因や死亡率なども紹介しているので、「長寿化」が進む家庭どうぶつたちとの暮らしを考える上で、ぜひ参考にしてほしい。
『家庭どうぶつ白書』制作の想い
「データの公開を通じて“予防”につなげたい」という想いから、アニコムが10年以上にわたって発行し続けている『家庭どうぶつ白書』。
アニコムのペット保険に契約しているどうぶつたちの属性(品種や年齢、性別など)や、健康状態(ケガや病気といった、年間400万件超の保険金請求情報)を分析し、データ集としてまとめている。
データは、言葉を話せないどうぶつの声を聞くための手段でもある。たとえ人間の言葉で会話ができなくても、彼らの情報をデータという形にいわば“翻訳”することで、どうぶつの声を聞き、その先の健康を守りたいという想いで、『家庭どうぶつ白書』を制作しているとのこと。
※本記事で紹介したデータは、2021年4月1日から2022年3月31日までの間にアニコム損保の保険契約を開始した犬727,991頭、猫212,209 頭、鳥10,863羽、うさぎ27,045頭、フェレット7,509頭、モモンガ3,973頭、リス987頭、ハムスター15,044頭、ネズミ3,436頭、モルモット3,840頭、ハリネズミ4,256頭、トカゲ1,616頭、チンチラ5,757頭、カメ875頭、ヘビ166頭(全年齢、性別不明含む/契約の解除・取消を除く)を対象としている。
関連情報
https://www.anicom-page.com/hakusho/
構成/Ara