世界初のカカオ“美容”新素材、保湿性に優れた「カカオセラミド」とは
セラミドは肌の表面を覆う表皮に含まれる“保湿因子”のひとつで、その原料や性質により分類される。肌に塗る用途で主に使用されているのは「ヒト型遊離セラミド」、主に健康食品素材として食されているのは「グルコシルセラミド」とされている。
■化粧品に使用されるセラミドの多くが合成。植物由来のセラミドは大半が健康食品に使われる
天然由来の「ヒト型遊離セラミド」は希少で、現在化粧品に使用されているもののほとんどが合成セラミドになる。中でも植物由来のセラミドは、「グルコシルセラミド」が多く、健康食品ではすでに使用されるなど研究が進んでいるが、植物由来の「ヒト型遊離セラミド」は知見がほとんどなかったという。
■カカオの未活用部位に化粧品で使えるヒト型遊離セラミドが多量にあることを世界で初めて発見
今回同社が素材化したカカオ由来のセラミドは、「グルコシルセラミド」と「ヒト型遊離セラミド」の2種類あり、食べたり肌に塗ることでどちらもスキンケア成分として活用が期待できる素材だ。
研究の結果、カカオの部位のうち、カカオハスク(種皮)には他の植物よりもはるかに多量のセラミドが含まれることを発見。
さらに、一般的に植物由来のセラミドの多くは「グルコシルセラミド」であるのに対し、カカオハスクの中には「ヒト型遊離セラミド」が極めて多く含まれることを世界で初めて発見、素材化に成功した。
※2004年北海道農業研究センター成果情報を一部改変、カカオ素材はLC-MS/MSにて測定
※2004年北海道農業研究センター成果情報を一部改変、カカオ素材はLC-MS/MSにて測定
■サステナブルな「カカオセラミド」が、新たな美容素材として可能性を切りひらく
カカオ由来の「ヒト型遊離セラミド」は、多くの国で栽培されるカカオの未活用資源の有効活用においてグローバルな視点でインパクトがあると考えられる。
カカオハスクには「ヒト型遊離セラミド」の含有量が多いため、他の植物由来の「ヒト型遊離セラミド」に対して抽出に関するコストダウンが期待できる。
さらに同社では、「カカオの未活用だった部分に高い付加価値を創り出すことで、サステナブルな美容素材としてカカオ産地も社会も豊かになる循環を生み出すことができると考えています」とコメントしている。