2. 外国為替取引に関する確定申告の要否
外国為替取引に関して確定申告が必要かどうかは、1年間を通算した損益がプラスかマイナスかによって異なります。
2-1. 利益が出た場合|原則として確定申告が必要
通常の外国為替取引または外国為替証拠金取引(FX)により、1年間を通算して利益が出た場合には、原則として確定申告が必要です。
ただし、本業の所得が給与所得であり、本業以外の所得(外国為替取引によるものを含む)が20万円以下の方は、確定申告が不要とされています。
また、基礎控除などの控除の適用を受けた結果、外国為替取引による所得を含めたその年の所得がゼロ以下になる場合も、確定申告は不要です。
2-2. 損失が出た場合|確定申告は不要だが、申告した方がよいこともある
通常の外国為替取引または外国為替証拠金取引(FX)により、1年間を通算して損失が生じた場合には、別の事情によって確定申告が必要となる場合を除き、確定申告は不要です。
ただし、他に雑所得がある場合には、通常の外国為替取引による損失との間で損益通算ができます。
また、外国為替証拠金取引(FX)による損失については、確定申告をすれば3年間の繰り越しが認められ、翌年以降に生じる利益との間で損益通算することが可能です。
したがって、確定申告が不要となる場合でも、申告した方が得になることもあると理解しておきましょう。
取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
https://twitter.com/abeyuralaw