子どもの有無や夫婦仲はセックスレスと関係ある?
セックスレスの要因の一つに出産や子どもの成長があげられることは多い。はたして、子どもの有無とセックスレスの割合は関係があるのだろうか。
結果は「多少関係がある」であった。セックスレス傾向にある既婚者は、子どもありが71.4%、子どもなしが61.2%と10ポイントの差がついた。完全なセックスレス状態の人は、子どもありが46.6%、子どもなしが38.0%と9ポイント近い差に。
これを差が大きいと取るか、意外に小さいと取るかは難しいところ。「出産を機に育児に追われたり夫婦関係が変化したりしてセックスレスになった」「子どもが成長して分かる年齢になったので次第にセックスをしなくなった」などはよく聞く話ではあるが、それを考えれば意外とセックスレスの大きな要因にはなっていないといえるかもしれない。
なお、年代別でみると20代にのみ差がみられ、子どもありの人の方が子どもなしの人よりもセックスレスの割合が高くなっている。乳幼児の育児負担や育児不安などが関係しているかもしれない。
※詳しくはこちらの本報告を。
セックスは最高のコミュケーション、あるいは愛情表現と言われる。そうだとするなら、セックスレス状態だと夫婦仲は悪い傾向があるのだろうか。
まずは回答者全体に夫婦仲を尋ねたところ、良い+やや良いが60.1%と、仲の良い夫婦が多いようであった。回答者は年代がばらけた全国4,000人なので、一般的な傾向をあらわしていると言えるだろう。
セックスレスではない既婚者と、セックスレス傾向の既婚者で分けると、次のような結果に。
セックスレスでない既婚者では「良い+やや良い」が66.0%なのに対し、セックスレス傾向の既婚者では「良い+やや良い」が57.2%と、やや低い傾向になった。しかし意外に「セックスレス傾向でも夫婦仲が良い」と答える人も多い。
セックスレス傾向の既婚者のなかから「完全なセックスレス状態」の人に絞っても、多少悪い傾向を示しているが、大きな違いはなかった。
セックスレスと夫婦仲の関係は、どちらが原因か結果かという判別はできないが、セックスレス状態の既婚者の方が「仲の良い夫婦がやや少ない」と言えるだろう。
既婚者の性的満足度は?
冒頭で日本人の性的満足度は世界的にみて極端に低いと説明した。調査方法が違うために前述の調査との数字の比較はできないが、既婚者の性的満足度はどのくらいなのだろうか。
男性は37.7%が「満足+やや満足」と回答している一方、32.1%が不満を感じているようであった。
一方、女性の場合は50.2%が「満足+やや満足」と回答しており、不満を感じている割合は18.0%で、いずれも男性と大きな差が生じていた。
選択肢に合わせて「満足」という回答になるが、「性的関係はもうなくてよい」と考える女性が多く含まれていると推察できる。冒頭でも述べたように、女性の方が性的満足を求めない傾向があらわれているのだろう。
最後に、年齢による違いを男女別にみると、男性では年齢が上がるにつれて満足度が低くなり、30代以上では約3人に1人が満足していない状況がわかる。30代以上では配偶者とセックスレス傾向の割合が増えることと関連しそうだ。
一方、女性の場合は性的に不満を感じる割合が男性に比べて極端に低いことが分かる。30代で「不満足+やや不満足」が23.2%となるが、それ以外はどの年齢層も不満を感じるのは約6人に1人という状態に。性に対する男女間の齟齬が見て取れる結果となった。
調査概要
調査タイトル:夫婦のセックスレスに関する実態調査 第1報
調査期間:2023年10月23日~25日
調査対象者:20~59歳の既婚男女4,000人(男性2,000人、女性2,000人)
調査方法:インターネット
エリア:全国
調査機関:レゾンデートル株式会社
本報告の発表日:2023年11月26日
関連情報
https://raisondetre-inc.co.jp/
構成/Ara