警察庁による「二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会」は、2023年9月から12月までに計3回開催された。
この検討会を総括した報告書が、警察庁公式サイトで公開されている。
これによると、排気量125ccの車両の一部を一般原動機付自転車即ち50cc以下の車種と同等の扱いにするという。
もっとも、この書き方には大きな語弊がある。そもそも此度の検討会は「最高出力を4kW以下に制御した総排気量125cc以下の二輪車を、現在は総排気量50cc以下に限られている一般原動機付自転車に新たに区分すること」が前提であり、決して「125cc以下の車両全てが一般原付扱いになる」わけではない。
そのあたりに注意しつつ、筆を進めていきたいと思う。
125cc車が「一般原付」に!?
日本には50cc以下の二輪車というものが存在し、それは長らく日本人の生活を下支えしてきた。
しかし、2025年から適用される新排ガス規制に対応できる50cc車種は決して多くなく、代わりに125ccの一部車種を一般原付の区分に入れようという計画が進められているのだ。
おおっ、ついに原付免許で125ccに乗れるのか!? と興奮するのはまだ早い。冒頭にも書いた通り、最高出力は125cc並みというわけではない。端的に書けば「速度を原付並みに抑えた125cc」が一般原付区分になるというわけだ。
「原付がパワーアップする」という話ではなく「125cc車の一部がパワーダウンする」という話である。
一般の運転者を対象にした試乗会は、既に実施されている。新基準原付に対する評価は決して悪いものではなかったらしく、
アンケートの結果、評価者21名の回答の全体平均は、「2.1」との回答であり、現行原付と「同等」若しくは「少し容易」に近い運転特性という評価が得られた。 なお、転倒やロードコンへの接触等の安全に関わる問題は生じなかった。
また、試乗会を通じた全体の感想を聞いたところ、二輪車に乗車するのは初めてであったが試乗会に楽しく参加することができた、新基準原付の方が現行原付と比べて運転しやすかった、バイクに乗るのは怖いというイメージがあったが乗っているうちに慣れてきてふらつきなく乗れるようになった、バイクの大きさの違いが安定感に繋がると思った、などという回答がなされた。
(二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会 報告書-警察庁)
と、ある。出力を抑えることで、従来の原付と大差ない乗り味を実現しているようだ。