「車体の安定性」を指摘された車両も
2017年、米クラウドファンディングIndigogoに『Smacircle S1』という電動モペットが登場した。
100kgの搭乗者を載せた状態で最高時速20km、15度の登坂能力を発揮する走行性能を有する『Smacircle S1』。その見た目は、フィットネスジムにあるようなエアロバイクと言ってもいいだろう。正直に白状すると、筆者は当時この製品に関する記事を@DIMEではないメディアで執筆している。
現在は日本代理店も存在する『Smacircle S1』、これもまた此度の「不適合ショック」を被ってしまった。国交省による指摘点は以下の通り。
・前方の方向指示器が前方30mから視認できない。
・前方の方向指示器が、昼間、指示する方向の100m先から点灯を確認できない。
・駐車制動装置が装備されていない。
・車体の安定性不良。
ここで注目すべきは最後の指摘「車体の安定性不良」である。これはもはや製品のデザインにも及んでしまう話ではないか?
なお、国交省によると49車種が未調査という。言い換えれば、年明けには残り49車種に国交省のメスが及ぶということだ。
電動キックボードシェアサービスの車両は?
こうしたこともあり、特定小型原付区分の電動キックボードやモペットを購入することにはどうしても慎重にならざるを得ないだろう。
が、幸いにも電動キックボードシェアサービス『LUUP』と『BIRD』の車両は基準に適合している。これは筆者の勝手な判断ではなく、国交省が上のPDF資料で公開している情報だ。
今後、車両製造・販売各社は官公庁と情報を共有しつつ、さらにクオリティーの高い製品を開発していくだろう。
【参考】
保安基準に適合した電動キックボード等を購入・使用しましょう!-国土交通省
取材・文/澤田真一