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さらなる人手不足は避けられない!?「物流の2024年問題」に対して荷主として何ができる?

2024.01.27

守るのが厳しい現状のルールも相まって入職者減は止まらない

守るのが厳しい現状のルールも相まって入職者減は止まらない

もこ 4時間走ったら30分は休憩しないといけない現状の規制も、運転手にとっては厳しいといえます。高速のPA(パーキングエリア)の駐車場は混雑することが多く、止まる=休憩できないことも少なくありません。特に、0~4時に割安となる高速道路の深夜割を利用したい運転手が多く、特定の時間に休憩が集中してしまうわけです。PAの中には駐車台数を増やすために、車両を止める配置を変えているところもありますが、まだまだ対応しきれていません。積み込みや納品の待機などが原因で、運転手の拘束時間は長い傾向にあり、改善基準告示で定められた8時間以上の休息が取れないことも正直多いです。

橋本 一番大きな問題点は、すでに定められているルール自体が、現状を無視して作られてしまっていることです。地域も、荷物も、事業者の規模も全く異なるのに、すべて一律にして、ひとつのルールで縛るのが間違い。規制を緩和できて、業種に合わせたルールを作れるような柔軟な対応をしない限り、2024年問題は解決しません。無理やり行なえば、必ず悪影響が出て、運転手は疲弊し、入職者は減り続けるでしょう。

入職者を増やすためにはイメージの改善とともに荷主至上主義の見直しを

もこ トラック運転手は「低賃金でキツイ仕事」というイメージがあります。そのため、運転手の年齢層が高く、若い人が入りにくい状況です。業界のイメージが少しでも変われば、入職者も増えてくれると思います。実際、数十人ぐらいの運転手が、僕のYouTubeチャンネルを見て、運転手になってくれたそうです。SNSで発信することにも、意味があると感じています。これからも僕の動画を見て、運転手になりたい人が増えたらうれしいですね。トラックの運転手は気を使うことが少なく、自分だけの世界を作れる仕事でもあります。「翌日までに届ける」「休憩を取らないといけない」といった時間的な制約はあるものの、そのほかの束縛はほぼありません。バンライフやアウトドアが好きな人にとってみたら、仕事の延長線上で車中泊できるというのも魅力に感じるかもしれません。知らない土地でご当地の食を味わい、見知らぬ美しい景色も見られる。だから、実際のイメージを正しく知ってもらうとともに、収入さえ増えてくれれば、なりたい人は増える職業だと思います。

橋本 翌日配送が当たり前で、段ボール箱の8つの角がつぶれないまま運ばせる……。消費者も荷主側も、こうした現在の運送サービスが過剰であることに気づいてほしい。長距離の運搬では荷物がこすれ合って段ボールが黒ずむのに、それすら許容されないことも多いです。特に飲料は厳しくて、中身が無事でも箱が傷つくと運転手は弁償しなければなりません。しかも弁償させたのに、飲み物は運転手のものにならない。運転手を軽視した、こんな商習慣は絶対に変えるべきです。せめて荷主は自分たちが作った製品がどうやって配送されているのか。トラックの待機時間がどうなっているのかなどを把握していてほしい。平気で待たせる現在のやり方は変えないといけません。

労働環境などの改善が目的の新型EVトラックへの期待は?

もこ 自動運転トラックが話題ですが、運転しやすくするアシスト機能などによって負担が減り、安全性が高まって環境にいいなら大歓迎ですね。また、今後、普通自動車運転免許取得者でも乗れるトラックが増えれば、もっと入職しやすくなると思います。最初は普通免許で運転できるトラックに乗って仕事をして、やりがいや手ごたえを感じたら、大型免許を取ってステップアップしようという人も、出てくるかもしれません。入職を増やすためにはトラックのイベントも効果的だと思います。

橋本 新型トラックを歓迎する点では、もこちゃんと一緒ですが「2024年問題解決のためには、自動運転しかない」という、テクノロジーがすべてのようにアピールされるのは、運転手の意欲を削ぐし、心情的に「自分たちは必要ない存在」と決めつけられる気がしてしまいます。「運転手にとって新技術が商売敵になるかもしれない」という点をきちんとふまえたうえで、EVトラックや自動運転の技術を正しく広めてほしいです。それと、新型のEVトラックは1台当たり約800万~900万円程度。導入できない中小のことも考え、選べる車種を増やすなど柔軟に多様化していくことが必要だと思います。

歌を歌いながらでも安全に運転

JAPAN MOBILITY SHOW 2023「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」(2023年10月開催)では、TuSimple JAPANが東名・新東名高速道路で実施した、自動運転トラックの走行テストの模様を紹介。運転補助の技術も進んでいる。

普通免許でも運転できるトラック

ELFmioいすゞ自動車「ELFmio」は、普通免許でも運転できる、車両総重量3.5t未満の小型トラック。最大積載量約1.5tを見込み、クラスNo.1の居住空間を確保する。2024年夏までに発売予定。

取材・文/柿川鮎子

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