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パリ五輪をきっかけにスーパートコジラミが大発生!?生物学者・五箇公一さんに聞く狂暴化する自然の猛威と必要な備え

2024.02.13PR

本来であれば自然界の中だけで生息する動物や、コンテナなどに乗って上陸する害虫などの危険性が年々増している。気象に目を向ければ集中豪雨などによる被害も激甚化が止まらない状況だ。2024年はこれらの脅威がどうなるのか? 専門家が分析する〝取るべき対策〟からビジネスチャンスを見いだしたい。

人間界と自然界のゾーニングを明確に!

五箇公一さん生物学者
五箇公一さん
京都大学大学院修士課程修了後、山口県にある農薬会社に勤務。その後、京都大学に戻って博士号を取得し、国立環境研究所に入所。テレビやWebなどを中心に出演し、外来種生物の危険性などを解説。〝ダニ博士〟や〝外来種バスター〟などの異名を持つ。

外来種の侵入と切り離せない現在のグローバリズム

 外来種によるリスクには、生態系の破壊と人命に関わる問題の2つがある。「最近はヒアリをはじめ、ヒトに直接危険を及ぼす生物が目立ちます」と警鐘を鳴らすのが、国立環境研究所の生態リスク評価・対策研究室長を務めている五箇公一さん。

 2024年に国内に入ってくる外来種の中で、最も危険視されているのがスーパートコジラミ。従来の殺虫剤に耐性を持ち、駆除が難しい厄介な害虫だ。EUをはじめ、韓国などのアジアでも大流行中。グローバルツーリズムの復興により、日本にも本格侵入しそう。五箇さんは、2024年のパリ五輪をきっかけに、世界中へ広がる危険性を指摘している。

「刺されると危険なヒアリにも、引き続き注意が必要。先日も東京港で大きな巣が発見されました。日本は国際港湾と市街地が近く、上陸するとすぐに被害が拡大する危険性をはらんでいます」

 資源の少ない日本は輸入によるグローバルサプライチェーンに頼ってきた。しかし、外来種移入のリスク回避のためにも過度な海外依存から脱却し、自給自足型のサーキュラーエコノミーへと転換する時期に来ている。

「特に日本に残された持続可能な産業は、農業などの第一次産業。一極集中型から地方分散型経済へ、そして農業による地方再建が、最も効果的なリスク対策です」

国内では狂犬病と新型ウイルスにも注意

 国内で繁殖し続ける外来種の問題も深刻だ。特定外来生物のアライグマは空き家などで自然繁殖し、全国的に数を増やしている。五箇さんによると、最も恐れるべきは、狂犬病だという。

「狂犬病は発症すれば死亡率100%。主に犬の咬傷事故から感染します。狂犬病予防法でワクチン接種が義務ですが、現状の日本の接種率は約7割。万が一、ウイルスが侵入すれば、アライグマなどの哺乳類から犬へ、犬から人へと感染する危険が高まります」

 千葉県内ではキョンが増えて駆除が話題に。危険なのは、こうした動物に寄生したマダニが媒介する人畜共通感染症だ。ライム病やダニ媒介脳炎のほか、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、重症化による死亡事例もある。

「SFTSを誘発するウイルスだけでなく鳥インフルエンザも要注意。ヒト型へと変わったら、被害はコロナの比ではありません。野生動物には無闇に触れたり餌づけしたりしないよう、距離を置くようにしてください」

五箇さんのトレンド予測2024

五箇さんのトレンド予測2024ヒアリやトコジラミが襲来!アライグマやキョンの増加で人体への被害が及ぶ

ヒアリは中国南部で大発生中。物流などによって日本にも飛び火することが危惧されており、繁殖率が高いことから、住宅地に侵入した場合には地域全体で駆除する必要がある。野生動物への対処も含め、地域社会の取り組みの強化が求められそうだ。

人間社会を守るための3つの心がけ

●無用な接触を避ける!
●安易にエサを与えない!
●地域との連携を深める!

人間社会を守るための3つの心がけ「休耕田や雑木林の手入れをして地方を活性化させ、人のいる場所に野生動物を入れないこと。そして、狩猟などで『ヒトに近づけば殺される危険がある』と野生動物に恐怖を感じさせ、接触を減らす対策も重要です」

取材・文/柿川鮎子

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