インターネット上で配信される音声コンテンツのポッドキャスト。一言で言えばスマホで楽しめるラジオで、専用アプリを用いて自分の好きな番組を好きな時に好きなだけ聴くことが出来る。ラジオと違い、時間を選ばないことが最大の魅力だ。その手軽さや「タイパ」の良さから、近年では若年層を中心にユーザー数が増えている。
中でも根強い人気を誇っているのはお笑い芸人のトーク番組だ。旬の芸人たちの番組も多く配信されており、昨年12月24日のM-1グランプリ放送直後のポッドキャストの人気番組ランキングにはファイナリストたちの番組がズラリと並んでいた。
喋りのプロならではの面白いトークが楽しめるのはもちろん、公式では話しづらいマニアックな話が聞けることもポッドキャストならではの魅力である。
今回はそんな芸人たちのポッドキャストから編集部厳選の3つの番組を紹介しよう!
マニアックな配信を見つけるのもポッドキャストの醍醐味のひとつ
令和ロマン「令和ロマンのご様子」
番組名:令和ロマンのご様子
配信元:stand.fm
更新日:毎週月曜22:30
配信期間:2020年2月~現在
令和ロマンはM-1グランプリ2023で見事優勝を掴み取った若手実力派漫才師だ。軽快なトーク力やコンビ仲の良さなどが彼らの持ち味。番組『令和ロマンのご様子』ではトークを中心に二人の魅力を存分に味わうことができる。
ラジオ番組のようなフリートークだけでなく、ゲストに芸能人や二人の個人的な知り合いを招いたり、番組内の流行語大賞を決めたり、視聴者から応募者を募ってVtuberオーディションを始めるなど、これまでも個性的な企画を配信している。地上波やラジオではできないようなマニアックな番組に固定ファンが多く、オフラインイベントが開催されるほどの人気番組だ。
最新回はstand.fmにて配信されるが、2023年9月よりApple Podcasts、Spotifyでもアーカイブ配信が始まっている。これからますます人気が高まる二人の活躍は、ポッドキャストからも目が離せない。
おすすめ回「ご優勝」
M-1で二人に興味を持ったという人は、2023年12月25日に更新された「ご優勝」を聞いてみるのがおすすめ。タイトル通りのM-1グランプリ反省回となっており、他の漫才師への想いや優勝を受けての周りの反応など、記者会見では語りきれなかった栄光の舞台裏を覗くことができる。
マユリカ「マユリカのうなげろりん!!」
番組名:マユリカのうなげろりん!!
配信元:ラジオ関西
更新日:毎週土曜23:00ごろ
配信期間:2021年7月~現在
マユリカは2011年に結成された、ボケの阪本とツッコミの中谷からなる漫才コンビだ。これまでもテレビや雑誌などで活躍していたが、昨年のM-1グランプリ決勝進出をきっかけにより高い注目を集めている。
二人は3歳からの幼馴染同士。互いを深く分かっているからこそ醸し出される空気感がこの番組最大の魅力だ。
「マユリカのうなげろりん!!」は基本的にコーナーを設けず、フリートークだけで進められる。独特のキャラを押し出す芸風とは対照的に、ポッドキャストでの二人は非常に自然体。まるで会話を盗み聞きしているかのような、適度なテンション感で交わされるやりとりが心地良い。
おすすめ回「#19 俺の誕生日プレゼント考えてくれてる?」
阪本が過去に中谷から貰った誕生日プレゼントについて語る回。「まじで良くない」「特大のゴミ」止まらない愚痴とツッコミが二人の関係性を際立たせている。
作業をしたい時や通勤中など、ふと耳が寂しくなった時におすすめしたい。但し外で聞く際にはニヤニヤ笑いが漏れないように注意が必要だ。
真空ジェシカ「真空ジェシカのラジオ父ちゃん」
番組名:真空ジェシカのラジオ父ちゃん
配信元: TBSラジオ
更新日:毎週土曜19:00
配信期間:2020年4月~現在
真空ジェシカはボケの川北茂澄とツッコミのガクで結成された、プロダクション人力舎所属のお笑いコンビ。M-1グランプリには2021年から3年連続で決勝進出しており、名実ともに実力ある芸人として知られている。
彼らの大きな特徴が、前提知識を要するボケが多いということ。万人に伝わるわけではないが分かる人には刺さるという点は、この番組にも共通している。
「真空ジェシカのラジオ父ちゃん」は視聴者からお題に沿ったネタメールを募集し紹介するという、従来のラジオに近いかたちをとっている。二人がインターネット文化に精通しているせいもあってか、寄せられるメールはネットミームを含む内輪ネタが多い。初めて聞く人は意味が分からず戸惑うこともあるかもしれないが、それだけに一度ハマると抜け出せない魅力がある。
おすすめ回「#7 エロマンガあるあるカルタ」
コアなファンたちから特に評価が高い回。細かい言及は避けるが、タイトルでピンと来た人ならばきっと満足できるはず。テレビでは決して聞けないアングラなネタを、ポッドキャストでこっそり楽しもう。
取材・文/キタノ