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注文住宅を購入した人が後悔した住宅設備TOP3、3位浴室の窓、2位性能の低い窓、1位は?

2024.01.08

職人社長・平松 明展(ひらまつ あきのぶ)氏が「後悔する住宅設備10」について解説

後悔する住宅設備を選ばないためには、実際に見る・体験する・直接話を聞くことが重要です。ネット情報だけだと書いた人の主観が入っていることもあり、情報自体がねじ曲がっていることもあるため、できるだけ実際体験している人から情報を得ることが大事です。

それは、設備の選び方によってライフプラン(人生設計)が大きく崩れてしまうこともあるからです。これは、家を建てる人(施主)がすべての設備を選んでいるのではなく、施工主からの提案で選んでいる人が多く、また長期的な視点で提案できていない施工主も多いからです。つまり、人生を豊かにするための家づくりをするために、その設備は必要なのかどうかという判断の軸がブレてしまっているからです。

そこで、今回は「建築のプロはオススメしない 後悔する住宅設備」を10つ紹介します。是非今後の家づくりの参考にしてください。

■1位:ベランダ

ベランダは雨漏りする確率が非常に高いです。布団を干すだけなら布団干しバー、室内星でも洗濯物が十分乾く家づくりをするなどの代替手段で成り立つようなら、ベランダはなくても良いでしょう。あって当たり前と思う人も少なくありませんが、最近では雨漏りのリスクや初期費用が高くなるなどの理由から見直されています。当たり前に設置しているけど「コレって本当に必要?」という問いかけをしてみてください。

■2位:性能の低い窓

暑い時季や寒い時季に、家を快適な室温に保とうとすると、エアコンなどのエネルギーが掛かります。しかし、窓の性能が低ければ低い程、熱や冷気を通しやすくしてしまうため、エアコンで室温を保たなければなりません。それが増エネになり、光熱費が増加してしまいます。家の快適性を考えると、窓は断熱性の弱点になるため、高断熱性の窓を選ぶようにしましょう。そうすれば、光熱費を削減でき、トータルコストではむしろお得になります。

窓の断熱性能にはU値(Uw)という数値で表されます。この数値が0に近ければ近い程、断熱性に優れています。低性能のアルミサッシやアルミ樹脂複合サッシよりも、高性能の樹脂サッシや木製サッシのほうがU値は低いです。

■3位:浴室の窓

掃除の手間や初期費用が掛かるなどの理由で、最近では浴室に窓を付ける人が減少しています。但し、家の中の湿度をきちんとコントロールできる高性能の家にしておかないと、窓がない分湿気を逃しにくいため、換気扇の使い方など運用面での工夫が必要となります。

■4位:窯業系サイディング

今でも7割位の人が選んでいる一般的な外壁材です。窯業系サイディングは、セメントと繊維で固めたものでできているため、表面の塗装やコーキング(継ぎ目)が切れてしまうと即漏水してしまいます。そのため、10年~15年に一度100万~150万円掛けて塗装しなければなりません。1年で10万円程度の維持管理コストが掛かってしまいます。

一方、金属サイディングは、ガルバリウム鋼板というアルミや亜鉛、ニッケル、鉄などを混ぜた合金でできているため、水に強く、20年~30年に一度の塗装で十分です。コスパが良く、耐震性との相性の良いので、最近人気の外壁材です。

外壁材を選び際は、初期費用+維持管理コストまで含めたトータルコストで考えましょう。

■5位:キッチンの吊戸棚

吊戸棚は高いところに設置されているため、使い勝手が悪く、あまり使わなくなります。それならば、パントリーや手が届く範囲にものを置く方が家事の効率も良くなります。吊戸棚を設置するtのであれば、設置位置を低くするなど、使う人の身長に合った工夫が必要です。

■6位:複合フローリング

集成材や合板に木目柄をプリントしたシートや薄くスライスした天然木を貼って仕上げたフローリングのため、木の温もりを感じにくいです。無垢材に比べると初期費用は安いですが、湿気などによりべたつきやすく、傷も目立ちます。また、傷むと張替えが必要となり、その分の費用が掛かってしまいます。

■7位:天窓

家の屋根部分に取り付けるため、漏水のリスクなど様々なデメリットがあるのが天窓です。冬は陽を取り込んで室温を上げたくても太陽の位置が低いため、天窓からあまり陽が入りません。

一方、夏は陽を取り込みたくなくても太陽の位置が高いため、陽が入ってしまいます。つまり、冬はあまり暖かくならず、夏は暑くなってしまい、温熱的に非常に不利です。敷地条件上、天窓がないと光を確保できない限り取り付けない方が良いでしょう。既に取り付けてしまっている人は、夏は遮蔽するように断熱材などの対応が可能です。

■8位:多機能エアコン

掃除機能が付いているなど良い面もあります。しかし、初期費用が高くなるだけでなく、実際にエアコンを掃除しようと思い、専門の業者さんを呼ぶと、掃除料金も通常のものより高くなるなどの維持管理コストが増えてしまいます。

家の換気計画にもよりますが、空気のクオリティの観点からならば、空気清浄機付きのエアコンは取り付けても良いかもしれません。但し、別の機能できちんと空気の入れ替えができる換気計画を作っておけば、なくても成り立ちます。

■9位:ダクト式全館空調システム

ダクト式全館空調システムは、空気を外から取り込み、ダクトにより各部屋に冷暖房された空気を送る空調するシステムのため、家の中に寒暖差がなく、室温が均質に保たれるというメリットがあります。しかし、ダクトの掃除は大変です。掃除を怠るとダクト内にほこりが溜まったりカビが生えたりするので、空気環境も悪くなります。また、15年程度で交換が必要となり、費用も数百万掛かります。

■10位:ホームシアター

天井に取り付けられる家庭用プロジェクターや小型の家庭用プロジェクター、VRゴーグルなどが出てきていることを考えると、ホームシアター用の部屋をつくる人が減少してきています。設備系は技術革新でどんどん改良されていくため、設置したものを変えたりするのは面倒臭く大変です。また、結構な費用を掛けた割に、結局あまり使わないとなりがちなので、建物に組み込まないようにしましょう。

■職人社長・平松 明展氏プロフィール

19歳で大工になり、10年間で100棟以上の住宅の修繕・解体を経験する過程、丈夫な家とすぐに壊れる家の特徴をすべてデータとして蓄積。29歳で平松建築を創業し、120棟以上の家づくりを担うかたわら、地震が起これば現地へ取材に行き、一次情報から「理想の家づくり」を日々研究し続けている。

家の耐久性能だけでなく、省エネで健康な住まいをドイツから日本に導入し、「人と地球と財布に優しい大満足の家」をテーマに光熱費やメンテ費を含む生涯コストを考えた家づくりを提供中。

著書に『お金が貯まる家3.0 ~住むだけで200万円貯まる「住む得ハウス」~』(カナリアコミュニケーションズ)がある。また、2023年12月28日には新書『住まい大全』(KADOKAWA)を出版予定。

チャンネル登録8万人超のYouTubeチャンネル「職人社長の家づくり工務店」では、「失敗しない・後悔しない」家づくりの情報を毎日配信している。

YouTube

<調査概要>
調査期間:2023年11月13日~14日
調査手法:インターネット調査
調査対象:自身または配偶者が建てた築3年以上30年未満の注文住宅に居住中の30歳以上55歳未満の男女全国
有効回答者数:1,713人
調査機関:Freeasy

出典元:平松建築株式会社 調べ

構成/こじへい

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