カーディフ生命保険では、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の5類移行が人々の行動をより活発化させた半面、長引く物価上昇が暮らしに影響を及ぼす中、全国2000人を対象に「第5回 生活価値観・住まいに関する意識調査」を実施。結果をグラフと図表にまとめて発表した。
最大の生活不安は全世代で「物価高」。約7割が節約を実行
(図表1-1)
(図表1-2)
現在感じている生活不安は「物価高」(86%)、次いで「老後資金」(83%)、「自然災害」(75%)となった(図表1-1)。特に「物価高」に対する不安は、全世代において「老後資金」を超えてトップとなった。
物価高・値上げの影響により72%が、いずれかの消費品目において節約を実行していた。「節約をしているもの」のトップは、「外食・飲み会」(31%)、次いで「衣類・ファッション(日常)」(28%)、「普段の食事」(28%)、「電気・ガス・水道」(26%)、「日用品」(23%)」。日々の暮らしに関わり、節約効率の高いもののほか、コロナ禍を経て、行動・消費・購買習慣が変容したことの影響もみられたと推察される(図表1-2)。
一方で、「節約したくないもの」のトップは「普段の食事」(18%)、次いで「旅行」(17%)、「記念日・お祝いなどの食事」(13%)。「普段の食事」は、「節約しているもの」「節約したくないもの」のいずれにおいても上位にあり、本当は節約したくはないが、やむなく実施している生活者の実態がうかがえた(図表1-2)。
■NISAで資産運用を始めている人は約4人に1人。一方で、全体の約2割が意欲はあっても未着手
(図表2-1)
(図表2-2)
日ごろのマネー行動では、「買い物でポイントをためることを意識している(ポイ活など)」(50%)が最も多く、次いで、「キャッシュレス決済を利用」(49%)、「インターネットバンキングを利用」(34%)となった(図表2-1)。
「NISA・つみたてNISAでの資産運用」(23%)は約4人に1人が実施しており、本調査を開始した2019年(9%)との比較では+14.6ptと大きく増加した。
一方で、全体の16%が、「資産運用への意欲はあるが未着手」である。理由は「投資の知識がない」(54%)、「投資に使うお金がない」(45%)、「損をしそうで怖い」(41%)、「やり方がわからない」(41%)など。資金面のほか、資産運用に対する情報不足が未着手の理由となる反面、「情報がありすぎて最適な方法がわからない」(39%)も挙げられた(図表2-2)。
■金融デジタルサービスの利用がさらに浸透。「コード決済」の利用率は全世代で6割超
(図表3-1)
(図表3-2)
全世代において、金融デジタルサービスの利用が浸透している。利用率トップのサービスは「コード決済」(63%)。「電子マネー」(48%)を超える結果となった(図表3-1)。
年代別にみると、20代・30代では「家計簿アプリ」(20代 21%、30代 23%)、40代・50代では「インターネットバンキング」(40代 46%、50代 48%)の利用率が全体平均と比べて約5pt高かった(図表3-1)。
金融デジタルサービスの利用が浸透している一方で、「セキュリティ」(57%)や「プライバシー漏洩・不正利用」(47%)、「ネットワーク障害」(39%)に不安を感じている人が多かった(図表3-2)。
■家を“買う派”、約7割。依然としてマイホームへの憧れは強いが、住宅ローン返済への不安を持つ人約5割
(図表4-1)
※回答者は「買う」「どちらかというと買う」「借りる」「どちらかというと借りる」「利用しない・関心がない」から1つを選択
※「買う派」は「買う」「どちらかというと買う」の合計スコア。「借りる」は「借りる」「どちらかというと借りる」の合計スコア。
※「借りる」にはシェアリングやサブスクリプションを含む
(図表4-2)
(図表4-3)
約7割の人が家を「買う派」(67%)と回答(図表4-1)。購入希望理由のトップは「自分の家を持ちたいから」(56%)と物価高や住宅価格の高騰が続く中でも、依然としてマイホームへの憧れが強いことが考えられる。
一方で、住宅購入への不安理由トップは「住宅ローン返済への不安」(47%)。特に20代・30代は全体の半数以上が住宅ローン返済に不安を感じている(20代 55%、30代 58%)(図表4-2)。
住宅ローン返済不安の理由は「病気・ケガによる収入減」(61%)が最も多く、次いで「急な出費」(39%)、「金利上昇による将来の負担増」(36%)と続く(図表4-3)。