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「やらなければ成果はゼロ。やってマイナスが出たとしてもそれは価値あるマイナスになる」PPIH吉田直樹社長に聞くドン・キホーテ大躍進の舞台裏

2024.02.01PR

成長の秘訣は果敢な挑戦と速やかな撤退のセットに

──そんな中、34期連続で増収増益を達成し、23年6月期の売上高は、過去最高益と絶好調です。その秘訣とドン・キホーテの強みはどんなところにあると思われますか。

「1番は顧客のニーズに応え続けていることです。企業として、常に変わらなければならないとの思いを持ち続け、変わり続けることも成長の秘訣だと考えます。当社は〝果敢な挑戦と速やかな撤退〟をセットで捉えていまして、失敗もいちいち問題にしません。失敗するとプロジェクトの責任者は降格されますが、すぐに昇格することもできます。降格自体がネガティブでない、という独自の思想も挑戦心を削がない成功の秘訣といえるかもしれません。ただ34期連続の増収増益は、多くの従業員が一生懸命やってくれたから達成できたこと。上層にいる少数の考えだけで達成できると誤解していたら、すでに成長は止まっていたでしょうね」

──成長を維持し続けるため、リーダーとして経営のモットーや、従業員に期待することはありますか。

「私自身のモットーは特にないんです。PPIHの目指す顧客最優先主義とは、お客様にとって最も〝都合のいい店〟になることで、それがないと、この会社は存在できない。ですから、経営のモットーというのは、会社の企業原理と一言一句変わらないです。一方で社員に期待することは山のようにあります(笑)。1番は、とにかく人生を大切にしてほしいということ。一生懸命に仕事することはすばらしいことですが、それは人生の一部。仕事だけをアイデンティティーと考えてしまうと長続きはせず、後々ライフイベントの変化についていけなくなる。また、当社では経営上、〝適材適所〟をとても重要視していて、不得意なところに目を向けるよりは、得意なところに注力してもらいたいと思っています。小売りのスペシャリストを増やすことが、当社の大きな武器となり、人も会社も成長し続けられると思いますから」

──PPIHの中長期経営計画として25年6月期に売上高2兆円、営業利益1200億円、30年6月期に営業利益2000億円の目標を発表されました。達成するうえでの、中心的な施策や社内的改革はどのようなものでしょうか。

「30年の目標は、まだこれからですが、皆で共有する基本的な考えは、まず従業員の実践するべき行動規範として、創業者である安田がまとめた企業理念集『源流』に基づく〝顧客最優先主義〟を堅守すること。そして『国内事業』については、規模を大きくしながら利益体質を向上させ、大手とは違う特徴を持った第3勢力の道を模索し、消費者のもうひとつの選択肢になってもらえる存在になること。『海外展開』は、多少の失敗を恐れないPPIH方式を貫く。さらに、新しい収益源を作ることを常に考えて、挑戦を続けることも重要課題としています。当たり前のことかもしれませんが、それも9万人の人間でやれば当たり前でなくなるということですね」

──吉田CEO体制になって以降、『お菓子ドンキ』や『キラキラドンキ』『ドミセ』といった新業態店舗に加え、離島を含む地方進出も相次いでいますが、今後はどう推し進めていくのでしょうか。

「業態創造は常に生みの苦しみです。簡単に実現はできませんが大事なのは、やってみること。やらなければリターンはゼロです。たとえマイナスになっても挑戦することこそがすばらしい。うまくいかないのをズルズルと続けはしませんが、今後も拡大したいとは思っています。また、地方出店は、地域の皆さんの当社に対する期待値の高さも感じますし、大都市圏も地方も、極端に物価に差がないことを前提にすれば、地方の店舗の運営コストが安価というメリットもありますから、こちらも続けていきたいですね」

何よりも「顧客最優先主義」。
顧客にとって〝都合のいい店〟作りで〝負けない店〟になる

吉田直樹氏

5W2Hで説明できてこそビジネスになる

──こうした新戦略を含め、吉田社長がお仕事をするうえで心がけていることを教えてください。

「今日は何をするか、この会議で何を得るか、短いインターバルで目標を持ち、それを積み重ねていくことが好きですね。社員とのミーティングでは、『いつ?』を、必ず1番に聞きます。その後に、Who、What、Where、Why、How、How muchで説明してもらいます。5W2Hで説明できないことはビジネスにならないし、説明できない計画は、計画といえないからです」

──ちなみにビジネスを離れた部分で、リフレッシュ法はありますか。

「なじみのレストランやスーパーで店員さんと交わすスモールトークですかね。LINEやメールで、『元気?』『どう?』と会話するのが、リフレッシュ法のひとつ。実は、仕事でも、ギャグをはさんだスモールトークが多いのですが、社員には不評のようですね(笑)」

──最後に、DIMEの読者は、企業において、現場のリーダーとして奮闘する方が多くいらっしゃいます。過去の失敗や成功など自身の経験もふまえ、リーダーとして心がけるべきこと、魅力的なリーダーになるために何が必要だと思われますか。

「リーダーは人の代表です。組織が大きくなり、関係が複雑になっても、あくまで人の集まりだということを忘れないことですね。自己意識の強い人は、リーダーという言葉に『エージェント』とルビを振るといいと思います。誰かの代理人と思えば、うまくいくんですよ。仕事で叱らざるを得ない時も、その人の先には、家族や友人がいて、人生があることを理解すべきですね。たとえ正論を言っても正しい方針や行動が伴わず、心が離れてしまって誰もついてこなければ、リーダーとしては0点。ビジネスとして間違った方針を打ち立てる人はリーダーとしては厳しいですし、行動しない人、『黙ってオレについてこい』というのも0点。おすすめをひとつ挙げるなら、短いスパンで自己の評価、反省をすることでしょうか。一日の終わりに、3分でいいので、その日の自分の振り返りをするといいと思います」

創業から34期連続で増収増益

創業から34期連続で増収増益1989年のドン・キホーテ1号店(府中店)出店以来、34期連続で増収増益を達成。PPIHのグループの店舗数は722店、総売上高1兆9367億円、営業利益は1000億円を突破した。

新業態・地方店舗を次々と出店

新業態・地方店舗を次々と出店新業態ではPBやOEMの選りすぐりを集めた『ドミセ渋谷道玄坂通ドードー店』、バズり系の食品やコスメ中心の『キラキラドンキ』を展開。宮古島など離島店の集客も絶好調だ。

顧客の評価を即反映する、「マジボイス」

顧客の評価を即反映する、「マジボイス」電子マネー「majica」のアプリに、顧客が商品を「いいよ!/ビミョー」の2択で評価できる機能「マジボイス」を追加。高評価の商品を値下げする仕組みを2024年2月に導入予定だ。

思い、込めすぎ?長すぎる商品名

思い、込めすぎ?長すぎる商品名長すぎる! と話題のPBの商品名。過去には最長300文字を超えたことも。この長文は社内では「ニュース」と呼ばれ商品の特徴をわかりやすく伝えるための戦略。POP効果もあるのだとか。

取材・文/安藤政弘

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