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「株式数比例分配方式」という言葉を見聞きしたことはあるだろうか。株式数比例分配方式は、配当金の受け取り方法の一つで、配当金を証券口座に振り込んでもらう受け取り方法だ。
本記事では、株式数比例分配方式の特徴やメリットについてわかりやすく解説する。株式数比例分配方式は、NISAにおける非課税の恩恵を受けるために必須の受け取り方法。NISA利用中の方、利用を検討する方もぜひ参考にしてほしい。
株式数比例分配方式とは
株式数比例分配方式とは、株式の配当金やその他金融商品の分配金の受け取り方法で、配当金を証券口座で受け取る方式。配当金が自動的に振り込まれるため、受け取りに際しての手間がかからないのがメリットだ。銀行の預金口座を経由する必要がない分、他の受け取り方法と比べて配当金をそのまま再投資に回しやすい。
配当金の受け取りはかつて、金融機関で現金化して受け取るのが主流だった。しかし、電子取引の増加に伴い、現在は株式数比例分配方式が主流になっている。
また、証券会社で株式数比例分配方式を選択すると、特定・一般口座で保有しているすべての上場株式の配当金の受け取り方法は、自動的に株式数比例分配方式に変更される。他の証券会社を併用している場合には、そちらの受け取り方式も株式数比例分配方式に自動的に変更されるため、慎重に判断しよう。
NISAで配当金を非課税にするには株式数比例分配方式が必須
NISAは少額投資非課税制度と呼ばれ、株式や投資信託等で発生した利益にかかる税金が免除される制度。 NISAを利用して配当金を非課税で受け取りたい場合には、株式数比例分配方式の利用が必須だ。
このうち上場株式などの配当金については、株式数比例分配方式を選択しない場合は課税の対象になる。NISAの恩恵を受けるためには、基本的に株式数比例分配方式を選択しよう。
株式数比例分配方式のメリット
次に、株式数比例分配方式を利用するメリットを紹介する。利点を押さえたうえで、配当金の受け取り方法を決定してほしい。
振り込みや再投資の手間が少ない
株式数比例分配方式では、自動的に振り込みが行われるため、他の受け取り方法と比較して余計な手間が発生しづらい。再投資をする際、預金口座から証券口座へ送金する手間を省けるのも魅力だ。
投資資金や配当金を一括で管理できる
資産や配当金を一括で管理できるのも、株式数比例分配方式を選択するメリットの一つ。「投資資金は証券口座」「配当金は預金口座」というように分けて管理するのが手間だと感じる場合には、特に恩恵を感じられるはずだ。ただし、「配当金は投資資金と分けて生活資金に回したい」といった場合には、デメリットとなる可能性がある。
特定口座で損益通算ができる
入金先として源泉徴収が行われる特定口座を利用している場合、株式の配当金と譲渡損失との損益通算が可能だ。そのため、特定口座内の債券や投信などの取引で譲渡損失が発生していた場合、配当金にかかる課税額を減少できる。また、特定口座である場合は確定申告が不要になる点も嬉しいポイント。