冷え込みが本格的になるにつれ、「寝ているのに疲れがとれない」「起きた時から眠い」といった不調を抱く人が増える。それはもしかしたら、保温性の低い掛けふとんが原因かも…。眠りの質に大きな影響を与え、ひいては健康やメンタル、人生にも大きな影響を与える「ふとん」について、きちんと基礎知識を知っておきたい。
そこで、創業から450年を超えるふとんの老舗・西川株式会社に取材。睡眠科学や快眠環境などの専門講習を受けた眠りのプロフェッショナル「スリープマスター」に話を聞き、クイズ形式で出題。ぜひ自分の“ふとん基礎知識度”をチェックしてみて欲しい。
答えてくれた人: 西川株式会社 商品第1部第1課 宮本眞大氏(スリープマスター)
知っているようで意外に知らない・・・【基礎知識編】
人生の1/3を占める「眠り」で、その眠りの質を左右する大きな要素が寝具。なぜふとんが睡眠の質を高めるのか、その理由についての基礎知識をチェック。
Q1
掛けふとんには3つの重要な機能が求められる。それは
・適切な温度を保つこと
・湿度を保つこと
もうひとつは次のうちどれ?
(1) 適度な重さがあること
(2) 湿気を発散させること
<正解>(2)
睡眠中、人は体温調節のために汗をかいたり、皮膚呼吸によってスチーム状に水分を放出したりして、約コップ1杯分の水分を放出する。そのため、湿度のコントロールをフレキシブルに行って適切な湿度を保つ「吸透湿性」も重要。
「ふとんの中の水分量が多くなると寝床内の湿度が高くなり、眠りの質の低下につながります。また水分量が少なすぎても、体が乾燥してしまう可能性があります。ですから、水分を保ちつつ放出する『吸透湿性』が重要なのです」(西川株式会社 宮本氏)
Q2
掛けふとんの場合は「保温性」「吸湿性」「放湿性」に加えて、さらに2つの要素が必要。以下の3つの中であてはまる2つはどれ?
(1) 軽さ
(2) フィット性
(3) 伸縮性
<正解>(1)と(2)
睡眠中は、血液の循環を促したり、温まりすぎた部位を冷やしたりするために、一晩に20回から30回くらい寝返りをうてるのが理想的な睡眠環境。ふとんが重いと寝返りをうちにくくなり、朝目覚めた時に疲れが残ったり、体を支えている肩や腰が痛くなったりする場合がある。
「冬には特に、ふとんと身体のすきまから熱が逃げないように、フィットするふとんを掛けることが大事です。しなやかでやわらかい生地ほど体のラインに沿ってフィットするので、ふとんの中で暖まった熱が逃げにくくなります。また羽毛の片寄りを防ぐキルト加工が施されているかどうかも、羽毛ふとんの保温性の高さに影響します」(西川株式会社 宮本氏)